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ベルリン国際映画祭 女性監督・女性の物語に評価

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ハンガリーのイルディゴ・エンエディ監督「オン・ボディー・アンド・ソウル」が金熊賞に輝いた第67回ベルリン国際映画祭。政治、そして女性の年だった。映画評論家の斎藤敦子氏が報告する。

政治の年と言われた。ロマ出身のミュージシャン、ジャンゴ・ラインハルトの伝記映画『ジャンゴ』がオープニングを飾ったのは、急速に非寛容化する世界に対する映画祭からのメッセージだと。だが、ポール・バーホーベンを長とする審査員団は、別の視点で映画を評価したようだ。

シンプルな表現

金熊賞の『オン・ボディー・アンド・ソウル』は、食肉処理場の管理責任者と、美人で潔癖症の新任品質管理担当が、薬品の盗難事件をきっかけに同じ夢を共有していることが判明するという不思議なラブストーリー。監督はハンガリーのイルディゴ・エンエディで、私にとっては1989年にカンヌのカメラ・ドールを受賞した『私の20世紀』以来2本目の作品。アイデアに溢(あふ)れていた『私の20世紀』とは違う、シンプルな映像表現に彼女の円熟を見た。ただし、これほど大きな賞を獲(と)るとは思わなかった。

二席の審査員大賞はセネガルとギニアビサウにルーツを持つフランス人アラン・ゴミスの『フェリシテ』に。交通事故に遭った息子の手術費用を集めるために、気ままな暮らしを諦めねばならなくなった歌手フェリシテの運命を描いたもの。主演のベロ・チャンダ・ベヤのエネルギッシュな歌と存在感に圧倒された。

いつもは新人に与えられるアルフレッド・バウアー賞は、ポーランドのベテラン、アグニェシュカ・ホランド監督、カーシャ・アダミック協力の『痕跡』に。山奥の村で独り暮らす老女の愛犬がいなくなった日から、村のハンターたちが1人ずつ殺されていく。エコロジーとフェミニズムのテーマをミステリー仕立てにした風変わりな映画だった。

と、ここまで書いてきて、脚本賞のセバスチャン・レリオ『ファンタスティック・ウーマン』まで含めて、女性監督もしくは女性を主人公にした映画が大半の賞を獲ったことに気づく。今年は政治の年ではなく、女性の年だったのだ。

最も金熊賞を期待されていたアキ・カウリスマキの『希望の裏側』は、残念ながら監督賞にとどまった。ヘルシンキの港にたどりつき、強制送還される寸前に逃げだしたシリア難民の青年が、ポーカーで稼いだ金でレストランを開いた元セールスマンと出会い、生き別れになった妹を探し出す。『ル・アーヴルの靴みがき』に次ぐ港町3部作の2作目で、社会のはみ出し者たちの連帯と、ささやかなユートピアを温かく描き出す。昨今の手軽なデジタル撮影で作られた作品とは一線を画し、フィルム時代の映画らしい映画にこだわるカウリスマキに、映画愛と格の違いを見せつけられたのだが。

日本映画も好評

日本を代表してコンペにエントリーしたSABUの『ミスター・ロン』は、台湾から日本へやってきた殺し屋を主人公にしたエンタテインメント映画。チャン・チェンの好演もあって、非常に好意的に受け入れられた。もう一歩で賞に絡んだはずだ。

コンペ以外の日本映画はパノラマ部門とジェネレーション部門に荻上直子の『彼らが本気で編むときは、』、フォーラム部門に石井裕也の『夜空はいつでも最高密度の青色だ』と吉田光希の『三つの光』、批評家週間に行定勲の『ジムノペディに乱れる』が出品され、荻上が全部門のLGBT(性的マイノリティー)映画を対象としたテディ賞の審査員特別賞を受賞した。

[日本経済新聞夕刊2017年2月21日付]

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