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龍馬の手紙、にじむ先見性 没後150年で新発見・解釈

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NIKKEI STYLE

今年没後150年を迎える維新の志士、坂本龍馬(1836~67年)。手紙や草稿が見つかり、新たな解釈も生まれている。そこからは先見性と戦略性を兼ね備えていた龍馬の姿が浮かび上がる。

新たに見つかった手紙は福井藩重臣の中根雪江宛てで、1867年(慶応3年)11月10日付、龍馬が京都で暗殺される5日前に書いたとみられる。龍馬が財政手腕を高く買っていた福井藩士の三岡八郎(後の由利公正)を、大政奉還後の新政府に出仕させるように依頼するものだ。

財政手腕を推薦

「急進派の三岡は福井藩の中では孤立していた。どうしても彼を新政府に引っ張り出したかった龍馬は、路線が異なる穏健派で、前藩主の松平春嶽の信頼もあつかった実力者、中根を説得する必要があると考えたのだろう」。京都国立博物館上席研究員の宮川禎一氏は、龍馬の交渉術をそう評価する。

福井藩の重臣宛てということもあってか、「他の手紙に比べると字体も整っている」(高知県立坂本龍馬記念館主任学芸員の三浦夏樹氏)。三岡に新政府の財政を任せたいという龍馬の強い思いがうかがえる。

三岡は出仕後、日本で初めて全国で通用した紙幣、太政官札の発行に尽力するなど、通貨の近代化に貢献した。「龍馬の推薦がなければ三岡は新政府に出てこなかったかもしれない」(宮川氏)ことを考えると、龍馬の先見性を裏付ける手紙ともいえそうだ。

龍馬は中根に手紙を書く前に福井で旧知の三岡と会い、新政府の財政のあり方などを話し合っている。その時の様子を記した土佐藩重臣、後藤象二郎宛ての手紙「越行(えつゆき)の記」の草稿も、2014年、テレビ番組の収録中に偶然見つかった。この手紙でも財政担当として三岡を強く推薦している。

「三岡の回顧録は残っているので、両者の会談の内容は分かっていた。しかし回顧録だけでは学術研究として使いづらい。『越行の記』が見つかったことで、三岡の回顧録の内容が裏付けられた」と三浦氏は指摘する。回顧録には幕府軍に攻められたときの方策なども話し合われたとある。「単なる平和主義者ではなく戦略家だった龍馬の姿が浮かんでくる」(三浦氏)

姪に八つ当たりも

古くから知られる手紙に関しても新たな見解が打ち出されている。「此頃(このごろ)ハあかみちや(あばた)をおしろいにて、はけぬりこてぬりぬりつぶしもし」などと姪(めい)の春猪(はるい)をからかう手紙は、以前は1867年1月20日に書かれたと考えられてきた。しかし、宮川氏は66年に書かれた土佐藩の郷士、池内蔵太の家族に宛てた手紙に内容・雰囲気が似ていることもあり、書かれた時期を1年早まるとの見方を示した。

「慶応2年(66年)1月20日といえば薩長同盟の交渉のピーク。そのストレスが手紙に表れ、気の置けない姪への悪口となったのではないか」と宮川氏はみる。同年秋に書かれたとみられる春猪宛ての手紙によれば、龍馬は姪に海外のおしろいを贈ったことがわかる。そこには姪への八つ当たりをわびる気持ちが込められていたのもしれない。

昨年10月に京都国立博物館で始まった「没後150年 坂本龍馬」展は長崎への巡回を終え、4月29日から江戸東京博物館で開催。その後は静岡に巡回する。坂本龍馬記念館の所蔵品を紹介する「土佐から来たぜよ! 坂本龍馬展」も岡山市の林原美術館で3月12日まで開かれた後、熊本、東京、広島を巡回する。龍馬の人柄がにじむ手紙に出合える好機である。

(編集委員 中野稔)

[日本経済新聞夕刊2017年2月14日付]

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