コンビニの実力チョコ10選 感謝を贈ろう
肩肘張らないバレンタイン「俺チョコ」にも
友達にあげる友チョコ、お世話になっている人に渡す世話チョコ、会社に差し入れする社交(しゃこ)チョコ、仲良しグループで分け合うシェアチョコ、家族で食べるファミチョコ。バレンタインは日ごろの感謝を気軽に伝えるいい機会だ。この時期ならではのコンビニスイーツを専門家に評価してもらった。
コンビニスイーツは年々進化し、専門店に迫るともいわれる。有名シェフや有名店との共同企画も目立つ。「これがコンビニ?」と驚く選者もいた。一方で「この価格ならあと少し予算を増やして専門店で買うかも」との指摘を受けた商品もあった。
コンビニスイーツの良さはお手ごろ価格で気軽に、いつでも買えること。誰かにあげるのはもちろん、この時期のスイーツを自分用の俺チョコ、お昼のお供の弁チョコとして楽しみにする人も多い。専門家の声を参考に、肩肘を張らない気楽なバレンタインを楽しんではいかが。
人気のガトーショコラ専門店、ケンズカフェ東京のシェフが監修した。ココアスポンジにチョコソースをかけ、チョコムースを載せた3層構造で「ふわっと口溶けの軽い食感」(糸田麻里子さん)。フランス産チョコを使い、表面にアーモンドやマカダミアナッツをあしらった。「口の中の味わいに流れを感じる」(秋山勇志さん)、「味のバランスがよい」(森大祐さん)。「コストパフォーマンスがいい」(笹木理恵さん)など手軽さにも評価が集まった。
(1)約33グラム(2)189円(3)北海道・沖縄を除く全店
安定した味わい、高級ブランドの味を手軽に(セブンイレブン)
高級チョコレート「ゴディバ」のチョコ6種の詰め合わせ。ミルク、ビター、ホワイトのチョコに、ガナッシュと呼ぶナッツや果物をあしらったものが詰められている。セブンイレブン向けの限定商品で、紙袋がつく。「高価だが納得のクオリティー。コンビニで買えるのがうれしい」(あまいけいきさん)、「安定した味わい。きちんとしたものをあげたいけれど、遠くまで買いに行けないときに助かる」(瀬戸理恵子さん)など、ブランドの安心感が高評価につながった。一方で「コンビニで買うには高い」という声もあった。
(1)6粒(2)1620円(3)全店
苦みのあるチョコムースにベルガモットやオレンジの風味をほんのり効かせたケーキ。「オレンジのすっとさわやかな清涼感と、チョコのほのかな苦みが印象的」(あまいけいきさん)。甘みをほどよく流してくれるコーヒーが合う。
柔らかいチョコを上掛けしたコーティングのツヤが輝く。皿に載せるとコンビニスイーツとは思えない印象で、「きれいな5層構造で味も完成度が高い。コンビニスイーツの最高峰では」(秋山さん)との声もあった。一方で「専門店のケーキと比べてしまうと割高感がある」という指摘があった。
(1)約96グラム(2)295円(3)全店(4)2月7日
(セブンイレブン)
口溶けのよいスイーツ。ココアバターを多く含むチョコとホイップクリーム、牛乳を使い、じっくり混ぜ合わせた。3種類のカカオを使用し、苦みも感じられる。濃厚な割には「やわらかでさらっとした口当たり。上のクリームがフォームミルクのようにフワフワとして全体が調和している」(瀬戸さん)。「ゆっくり溶けてチョコの余韻が長く感じられる」(笹木さん)。スタイリッシュなカップなので職場でも食べやすく、差し入れに向いているという声も。
(1)約90グラム(2)190円(3)全店
(セブンイレブン)
メリーチョコレートカムパニー(東京・大田)との企画商品。ビターやコーヒー、紅茶、キャラメル、マンゴーなど11種の詰め合わせ。「価格の割に高級そうに見え、フレーバーが多くて目にも楽しい」(郡司麻美さん)。「会社への差し入れとして重宝しそう」(下園昌江さん)。専用の紙袋がつく。
(1)15粒(2)1080円(3)全店
いろいろなチョコの具材を盛り合わせたパフェが1月末にリニューアル。チョコ味のプリンやムース、クリームを重ね、大きめのアーモンドをあしらい、風味や食感が楽しめるようになった。「味は濃厚だが食感は軽い」(郡司さん)。「ボリュームがあるが、ふんわりしたスポンジとクリーム、ナッツなど、バランスがとれている」(山口真理さん)。見た目の華やかさも支持を集めた。
(1)約130グラム(2)280円(3)全店
(ローソン)
口溶けが良く風味がしっかりした生クリームを使った。「上品でダイエット中でもチョコを食べたいときに」(衛藤敬子さん)。「ねっとり濃厚。家族や友達と分け合って食べたい」(下園さん)
(1)9粒、約48グラム(2)320円(3)沖縄を除く(4)2月10日
(セイコーマート)
北海道豊富町産生クリームを使用。濃厚なチョコクリームを絞り洋酒を効かせた。「チョコ好きにはたまらない」(山口さん)、「味はすっきり」(森さん)。希望すれば紙袋が付く。やや崩れやすい。
(1)約70グラム(2)260円(3)全店
(ファミリーマートなど)
チョコクリームをマカロンでサンド。「オレンジの香りと食感が華やか。サクッ、しっとりとしたマカロンの食感もよい」(瀬戸さん)、「甘さ控えめ」(衛藤さん)
(1)約33グラム(2)138円(3)沖縄を除く
(デイリーヤマザキ)
ココア風味のシフォンケーキにチョコクリームたっぷり。ホイップの上にはアーモンドをトッピング。「口溶けのいいふんわり生地が後を引く。濃厚なチョコが苦手な人に」(糸田さん)。
(1)約70グラム(2)200円(3)全店(4)2月6日
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ラッピングでワンランクアップ
買った商品を通常のビニール袋に入れて渡すのはなんだか味気ないと感じる人もいるだろう。パッケージやラベルに価格が刷り込まれているのも気になる。ラッピングとお菓子の教室を開くスイートリボン(東京・江東)の隈部美千代さんは「100円ショップの材料で簡単にラッピングをしてみてはいかが」と提案する。価格の部分にシールやマスキングテープを貼るだけでもいい。透明フィルムのバッグに入れて、リボンを絞ると印象が変わる。紙袋でもOKだ。コンビニスイーツがワンランクアップして、見栄えのいいプチギフトになる。
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ランキングの見方 数字は選者の評価を点数化。商品名、コンビニ名。(1)内容量(容器を除く標準量)(2)価格(3)販売地域(一部店舗を除く)(4)発売日(発売中の場合は省略)
調査の方法 セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、デイリーヤマザキ、セイコーマートにバレンタインにおすすめのスイーツを調査。18品をコンビニ名を伏せて試食し評価した。掲載は各コンビニ3品までとした。
秋山勇志(三越伊勢丹チョコレート・サロンデュショコラバイヤー)▽あまいけいき(スイーツブロガー)▽糸田麻里子(フードエディター)▽衛藤敬子(あすけん管理栄養士)▽郡司麻美(クオカ製菓・製パン講師)▽笹木理恵(フードライター)▽下園昌江(お菓子研究家)▽瀬戸理恵子(フードエディター)▽森大祐(レコールバンタン講師、アン ヴデッドオーナーパティシエ)▽山口真理(スイーツプランナー)
[NIKKEIプラス1 2017年2月4日付]
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