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きれいな雪の結晶 どうやって形が決まるの?

NIKKEIプラス1

2017/2/7 NIKKEIプラス1

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■きれいな雪の結晶 どうやって形が決まるの?

スーちゃん 空から降ってきた雪を手袋でそっと受け止めたら、雪の結晶がとてもきれいだったよ。その時に着ていたセーターも結晶の模様だったんだ。それにしても、なんで雪の結晶ってみんな六角形なのだろう。形はどうやって決まるのかな。

■六角形の氷のつぶに水がくっつき個性が出るよ

森羅万象博士より 雪は、雲の中でできた氷のつぶがとけずに落ちてきたものだよ。きれいな形のひみつは、氷のつぶが空から降ってくるまでの道のりにかくされているんだ。

 雪の結晶を顕微鏡(けんびきょう)で観察してみよう。星の形や木の枝が広がったような形、円盤形などさまざまだけど、どれも六角形がもとになっているよ。

 雪の正体は氷だったね。もとの水は水素と酸素の小さなつぶでできている。1個の酸素に2個の水素が「く」の字のような形でくっつくんだ。つぶは原子(げんし)ともいうよ。凍るときは、くの字になった水が集まる。それぞれの酸素と水素が近づこうとして、酸素が六角形に並ぶ形に落ち着くんだ。

 この六角形からなる氷のつぶは雲の中で互いにぶつかり合い、周りの水蒸気(すいじょうき)がくっついて大きくなる。六角形の面がたてにのびていけば細長い針(はり)のような結晶になる。六角形が平らに広がれば、「雪の結晶」と聞いてまず思い浮かぶ星の形や木の枝の形になる。大きくなって浮かんでいられなくなると、地上に落ちてくるよ。

 地上に届くまでに空の高さで気温や水蒸気の量が少しずつちがうから、結晶の形に個性が出るんだ。まったく同じ条件はないから、同じ形にはならないと言われているよ。

 結晶ができるときの温度がセ氏マイナス10~20度くらいだと、木の枝のような形になりやすい。それよりも温度が高かったり低かったりすると、細長い柱のような形に変わるよ。ただ、結晶がどの方向にどのくらい伸びていくのか正確に予想することはまだできないんだ。

 「雪は天から送られた手紙」。雪の研究で有名な科学者の中谷宇吉郎(なかやうきちろう)さんは、こんな言葉を残した。空の上の様子が結晶の形を変えることを言い表したんだね。

 でも手紙が伝えてくれる空の様子を想像するのはむずかしい。雲の中で何が起きているか、まだよくわかっていないからね。

 雪のなぞにせまろうと、世界で研究が進んでいる。最近、米国のカリフォルニア工科大学で人工的に同じ形の結晶を作ったとニュースになった。温度などをどのように変えれば、どんな形の結晶ができるのかを突きとめたんだ。同じ形の結晶はないと言われていたので、おどろいたよ。

 多くの雪が降ってくるとすべりやすいから大変だけど、きれいな結晶がたくさんあると思うと楽しくなるね。

 日本では気象庁の気象研究所の研究者が、関東地方で降った雪の結晶の写真を送ってほしいと呼びかけているよ。さまざまな時間や場所で見つかった結晶の写真が集まると、雪のなぞの解明に近づくかもしれないそうだよ。

 空から降ってきた雪のつぶを黒や青など濃い色の布で受け止め、ものさしなど長さがわかるものをとなりに置いて、スマートフォン(スマホ)やカメラで写真をとろう。今度、雪になったら挑戦(ちょうせん)してみようね。

■部屋の中でも結晶作ろう

博士からひとこと 雪の結晶を部屋の中で作る方法もある。用意するのは、ペットボトルとドライアイス、釣り糸、発泡スチロール製容器だ。ペットボトルの中に釣り糸をたらして息を吹きこみ、周りにドライアイスを入れて冷やす。吹き込んだ息が水蒸気の役割を果たし、冷やされて結晶になる。
 数十分で糸に小さな結晶ができ始める。この方法は大学の先生で発明者の平松和彦さんにちなんで「平松式」と呼ぶ人もいる。
 ほかにも、針金で作った輪(わ)の中にせっけん水で膜を張り、冷凍庫(れいとうこ)でセ氏マイナス10度くらいに冷やす方法もある。

(取材協力=古川義純・北海道大学名誉教授)

[NIKKEIプラス1 2017年2月4日付]

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