『バイオハザード:ザ・ファイナル』 謎が明らかに
映画の原作といえば小説やコミックの印象が強いが、近年注目されているのがゲームだ。公開中の米映画「バイオハザード : ザ・ファイナル」は、日本の人気ゲームを原案にした実写映画シリーズの最新作にして完結編。全米公開より約1カ月前の昨年12月23日から日本で先行公開され、すでに興収40億円を超えるヒットを記録している。
シリーズは2002年に誕生し、今回で6作目。シリーズの物語の発端は製薬会社アンブレラ社が秘密裏に開発した「T―ウイルス」と呼ばれる生物兵器の漏洩だった。ウイルスに感染した人々は「アンデッド」という生きるしかばねとなり、感染は急速に拡大。ウイルス投与の実験台にされながらアンデッドにならず、逆に超人化した女性アリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が荒廃した世界を舞台にアンブレラ社の陰謀を阻止しようと死闘を繰り広げる。
「ザ・ファイナル」では抗ウイルス剤の存在を知ったアリスが、アンブレラ社の研究施設に潜入。人類滅亡の危機に立ち向かう。アンブレラ社の最終目的とは何か、アリスとは何者なのか、などシリーズの謎が明かされる。
すべての脚本と製作を手がけ、シリーズのうち4作品の監督をつとめたポール・W・S・アンダーソンと主演ミラ・ジョヴォヴィッチが、ゲーム版のファンということから映画化が実現した。ウイルスやアンブレラ社などの設定はゲームにもあるが、ヒロインのアリスの存在など映画そのものはオリジナル色が濃い。
配給するソニー・ピクチャーズエンタテインメントの堀内啓エグゼクティブディレクターによると「観客は中学生から40代までと幅広く、中でも10~20代の男性ファンが多い」という。男女比は7対3で男性からの支持が高い。
日本では第1作から手堅くヒットを飛ばし、米国を除くと最も興収を稼ぐのは日本市場だ。「米国の映画ではあるが、日本のファンにとっては自分たちの映画という意識が強い」と堀内氏。「ザ・ファイナル」では日本の女優ローラが出演し、観客にとってより身近に感じられたようだ。洋画は都市部の動員が多いが、このシリーズは地方の観客も多く「邦画とよく似た傾向にある」という。
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[日本経済新聞夕刊2017年2月1日付]
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