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チェンバロ、現代と共鳴 ダンスとコラボ公演も

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古典音楽に欠かせない鍵盤楽器、チェンバロ。一般には旧式のピアノと捉えられがちだが、この楽器の知られざる特色や魅力をわかりやすく伝えようとする公演や企画が目立ってきた。

「チェンバロはピアノと同列に語られることが多いが、音色や構造など別物の楽器だ」。日本を代表するチェンバロ奏者として国内外で活動する曽根麻矢子はこう力説する。最大の魅力は音の振動で、空間と共鳴し、会場と一体となって美しい響きを生み出す。

美術解説と共に

3月22日には東京・渋谷の白寿ホールで「チェンバロの庭」と題し、この楽器の特色や魅力を伝えるトーク付きの公演を開く。使用するのは、フランスの名工デヴィット・レイに依頼して作ってもらった2段鍵盤チェンバロ。18世紀フランスをイメージし、白と金を基調に、庭園を模した明るい絵があしらわれている。

ただ、温度や湿度の管理が難しく、慎重に取り扱う必要があり、聴衆の前で弾く機会は数えるほどしかなかった。「明るく若々しい音色や音質はもちろん、デザインも秀逸。使い込むとどんどん深みのある音が出るはず。楽器の奥深さを知ってほしい」と曽根は語る。

企画は全3回の予定で、初回となる3月の公演は曽根が10年間住んだ「パリ」がテーマ。演奏曲も17~18世紀に活躍したフランスの作曲家クープランやデュフリの「クラヴサン(チェンバロの別称)曲集」(抜粋)などをソロで弾く。

3月4日に神奈川県民ホール小ホールで開かれる公演「チェンバロの魅力」も、チェンバロ奏者の大塚直哉が美術作品とのコラボレーションを企図したユニークな試みだ。ラモーなど18世紀の作曲家の楽曲の演奏とともに、美術研究者の小林亜起子が同時代のフランス絵画を紹介・解説する。

チェンバロはピアノと同じ鍵盤楽器だが、成り立ちや構造は異なる。ハンマーでたたいて弦を振動させる「打弦楽器」のピアノに対し、チェンバロは爪ではじくことで弦を振動させる「撥弦楽器」で、響きはギターなど弦楽器に近い。

「古典音楽を通奏低音で伴奏する印象が強いが、ソロ曲も多い。日本のチェンバロ演奏の歴史は戦後以降と浅く、楽器自体あまり理解されてこなかった」。チェンバロ奏者で日本チェンバロ協会運営委員の加久間朋子はこう指摘する。

同協会は2011年に設立されたばかりの団体で、毎年、楽器の魅力に触れてもらうイベント「チェンバロの日!」を開く。今年は5月13~14日、チェンバロが常備された松本記念音楽迎賓館(東京・世田谷)でレクチャーコンサートや楽器クイズなどの企画を催す。加久間は「若い奏者が育ち、特色ある演奏会がここ数年でようやく開かれるようになった」と手応えも感じている様子だった。

マドンナの楽曲

日本の若手鍵盤奏者の中でもチェンバロの実力が随一といわれる鈴木優人も普及活動に注力する一人だ。2月21日、白寿ホールで開く公演は、米人気歌手マドンナの世界ツアーにも参加したプロダンサーTAKAHIROに、人気パティシエの菊地賢一を加えた30代の3人が共演する異色の企画だ。J・S・バッハ、武満徹、さらにはマドンナの楽曲に、チェンバロの演奏とダンスを掛け合わせる。

チェンバロが奏でられる中、舞台上で菓子作りを実演する場も設け、客にも菓子を振る舞う。「見て聴いて味わってと文字通り五感をフルに使う。聴衆にとっても僕らにとっても刺激的な試みだ」と鈴木は言う。

バロック音楽を中心に演奏する楽団「バッハ・コレギウム・ジャパン」の創設者を父に持つ鈴木はチェンバロやオルガンでバロックを弾く機会が多い。一方で「チェンバロはピアノより音の切れが早い分、瞬発力や即興性があり、ダンスやポピュラー音楽とも合う」と言う。実際、鈴木がマドンナの曲をチェンバロで弾いた音源は、切れがよく、モダンな印象さえ受ける。

TAKAHIROも「1台で奥行きのある音が鳴り、踊る際にも違和感がない」と話す。古楽器というイメージを超えたチェンバロが持つ表現の幅広さが示される場はさらに増えそうだ。

(文化部 岩崎貴行)

[日本経済新聞夕刊2017年1月30日付]

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