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女性が奏でる和楽器最前線 洋楽との融合、自在に

三味線で弾き歌い 囃子方が現代詩朗読

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NIKKEI STYLE

歌舞伎や能楽、長唄などで用いられる三味線や鼓、尺八といった和楽器。古典邦楽の愛好家だけでなく、一般の人に和楽器の魅力をもっと知ってもらおうと奮闘する奏者たちがいる。今、最前線で目立つのは若い女性の姿だ。

「若い人にもっと和楽器に親しんでほしい。ギャップを埋めるための手段が、自分で歌うことだった」。茨城県出身の津軽三味線奏者、川嶋志乃舞(しのぶ)はそう話す。

津軽三味線はもともと民謡歌手の伴奏で、奏者が自ら歌うことは少ない。だが川嶋は三味線を弾きながら、Jポップのシンガー・ソングライターのように自作曲を歌う異色の存在。古典邦楽や民謡で活動する一方、東京都内のライブハウスにソロで出演し注目を浴びる。旬のシティポップスやアイドルポップスを自分のものにし、時には三味線を抱えてラップまで披露する。

5歳で三味線を習い始め、全国大会で何度も優勝した。2013年に東京芸大邦楽科に入り、津軽三味線とは楽器も弾き方も違う長唄三味線を専攻。現在4年生だ。大学入学後にパソコンを使い独学で曲を作り始めた。

昨年10月に2枚目のアルバム「ファンタスティック七変化」を発表。歌詞の一部を長唄から引用したダンスナンバー「遊郭ディスコ」や、民謡「津軽たんと節」などを収め、和洋を自在に行き来するセンスが光る。「私が大好きなアイドルやアニメといったポップカルチャーと和楽器の化学反応を起こして発信したい。目標は20年の東京五輪の舞台」と意気込む。

♪     ♪     ♪

新境地に踏み出す女性の和楽器奏者が相次いでいる。ソロプロジェクト「バンブー・フルート・オーケストラ」名義で活動する辻本好美は、昨年9月、女性のソロ尺八奏者として初めてメジャーデビューを果たした。

元日にNHK・Eテレの番組で辻本と共演した鼓奏者の福原千鶴も、ジャズや現代詩との融合で古典邦楽の枠を飛び越える一人だ。東京芸大で邦楽打楽器の囃子(はやし)を専攻し、博士号を取得。サックス奏者の坂田明らとの共演を経て、13年にピアノ奏者のスガダイロー、ミュージシャンの日比谷カタンと演奏・朗読のユニット「朗読幻奏」を結成した。

昨年11月に出した初リーダーアルバム「文の鼓」でも坂田やピアノ奏者の佐藤允彦らと共演。鼓演奏のほか、谷川俊太郎や梶井基次郎らの詩を朗読している。囃子方は通常、掛け声以外は声を出さないが、福原は朗読やボーカルも披露し、異彩を放つ。

6歳で囃子方を始めたが「高校時代は軽音楽部に入って大好きな椎名林檎さんの曲を歌っていた」。古典邦楽と異なる西洋音楽のリズム感を体得するため「人前では演奏しないけれど、6年前からドラムを学んでいる」と明かす。

♪     ♪     ♪

和楽器と洋楽の融合はこれまでも何度か脚光を浴びてきた。1990年代初め、世界的な民族音楽ブームに乗り、オリジナル曲中心の若手が相次ぎ登場して「邦楽ニューウエーブ」と呼ばれた。音楽専門誌「邦楽ジャーナル」の田中隆文編集長は「80年代後半から邦楽界が下降線をたどり、若手の仕事が無かった時代。新しい分野を開拓せざるを得なかった事情もある」と話す。

2000年代に入ると、津軽三味線の吉田兄弟や上妻宏光らが邦楽バンドブームに火を付ける。田中編集長は「そのブームが落ち着いた後が今の若い世代。高度な技術を学んだうえ、西洋音楽の平均律やリズム感を体得しており、何でもできる」と指摘する。

古典邦楽のプロ奏者は女性に比べて男性が多い。歌舞伎の舞台には女性は立てず、能楽でも男性が圧倒的。田中編集長は「長期や固定の仕事に縛られない分、女性は自由に活動しやすい面がある」と話す。

追い風は吹いている。クールジャパンと五輪だ。一般社団法人ジャパンプロモーション(東京・渋谷)はフランスや米国で開かれる日本文化の総合博覧会「ジャパンエキスポ」で、11年から和楽器演奏など伝統文化がテーマのパビリオンを運営してきた。「16年の入場者は約7万6000人で前年より3万人ほど増えた。以前はアニメやマンガに人気が集中していたが、今は伝統文化が格好いいとみられている」(生島儀尊代表理事)

田中編集長は「邦楽愛好家は減少が続き、裾野は広がっていないが、東京五輪を意識して邦楽界で様々な国際交流やコラボレーションが出てくるだろう」とみる。

(大阪・文化担当 多田明)

[日本経済新聞朝刊2017年1月14日付]

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