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暮らしの知恵

窓辺包み冷気を退治 カーテンやヒーターで遮断

2017/1/11付 日本経済新聞 夕刊

 一年で最も寒いとされる「大寒」(今年は1月20日)が近づいてきた。屋内外に面する窓辺空間を工夫することで、暖房効果が高まり結露防止にも役立つ。カーテンを長くし、発泡スチロール製のボードを窓辺近くに配置するなどして冷気を防ぐことができる。冬を快適に暮らすワザを探った。

 「暖房を入れているのになぜか寒い。窓辺からの冷気が原因か?」。冬場にこんな思いをした人は少なくないのではないか。これは、窓辺からすきま風が入り込んでいるのではなく、「コールドドラフト」という現象が起きている可能性が高い。

 コールドドラフトは、室内の暖かい空気が窓辺に近づくとガラス面の冷気で冷やされ重くなり、床面など下に流れていく現象。足元が寒くなると、つい暖房をさらに強くしがちだ。これによって外気と室内の温度差が窓辺で大きくなり、結露が発生しやすくなる。

 このコールドドラフトのしくみをしっかり把握した上で、暖房器具の配置など見直したい。

 まず、室内をガスストーブなど温風式の暖房器具で暖める際は、できるだけ窓辺近くに置く。窓を背にして室内に向けて使うとよい(イラスト参照)。暖房機からの暖気を直接、窓辺に向けるとガラスの近くで屋外と室内の温度変化が急激に大きくなり結露が発生しやすくなる。

寝室の腰窓に、天井から床までのカーテンをつけることで断熱効果を高める(「OZONE家design」提供)

 また、暖まった空気をガラス面付近で急激に冷やすことがないように「ウインドーヒーター」または「ウインドーラジエーター」という温熱を出す簡易器具を使うのも一手だ。窓際に暖気の壁をつくることで冷気をシャットアウトする。コンセントにつなぎ窓枠に置くだけなので工事は必要ない。トイレや脱衣室、子供の勉強部屋などで使うケースも多いようだ。商品は家電メーカーから出ているものもあるし、家電量販店やインターネットショッピングでも購入できる。2万円前後のものが多い。

 室内の暖気が窓辺で冷やされないように、カーテンを使うのも効果的だ。冷気を防ぐかけ方としては窓の寸法に合わせるのではなく、なるべく窓を覆うようにかけると部屋に冷気が伝わりにくい。また断熱を目的としたハニカムスクリーンというシェードもある。通常のシェードは薄手の板状のものが多いが、ハニカムスクリーンのシェードの断面はハチの巣のような六角形の空洞をいくつも連ねた形になる。空気の層をつくるので断熱効果が高い。価格は、横幅が90センチで長さが110センチのスクリーンで2万円前後(取付費用・備品代は別途)。

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 簡単な方法であれば、「冷気ストップボード」や「冷気シャットパネル」といった商品名で販売されている発泡スチロールボードを使うのも効果的だ。

ハニカムスクリーンの空気層で断熱効果が高まる(「カサボン+参創ハウテック」提供)

 窓に貼ったり、窓辺に立てかけるだけでもよい。ホームセンターで窓の大きさに合わせてカットしてくれるものもある。厚さが0.5~1センチ、縦280センチ、横90センチ程度で1枚2000円程度で販売されている。比較的安価なので気軽に使える。昼間は見栄えが気になることもあると思うが夜だけの使用だとカーテンに隠れて見えなくなるし暖房費の節約にもなる。寝室などでやってみるとどうだろうか。朝起きたときの体感温度が違うはずで、まずどこか1室で試してみるのもよい。

 リフォーム工事をしてしっかり窓まわりを断熱したい場合は、サッシのガラスをペアガラスに交換するのもお薦めだ。現状はシングルガラスの場合でもアタッチメントという器具を使うことでペアガラスにできることもある。また、現在の窓の内側にもうひとつサッシをとりつけ2重サッシにする方法もある。インナーサッシと呼ばれているものだが断熱効果と防音効果も高い。断熱効果が高いということは夏場の冷房効果も高いことであり、経済的だ。

 施工業者に来てもらい現状を見てもらってから見積もりをとり検討するとよい。腰窓(高さ110センチ横幅170センチ)をペアガラスにする場合、工事費や運搬費込みで5万円前後が多い。省エネリフォームの対象になれば減税や補助金などがでる場合もある。リフォーム業者に確認してから進めてほしい。

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■結露防止シートも効果的
 窓辺で室内外の温度差が大きくなると結露が発生しやすくなる。ガラスに結露防止シートを貼るのも効果的だ。空気層を含み、厚さ数ミリ前後のものが多い。透明なタイプを使えば、目立たずに光を取り込むこともできる。

(リビングデザインセンター OZONE 森 希宗子)

[日本経済新聞夕刊2017年1月11日付]

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