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仕事の年賀状 正月すぎたら

 
NIKKEIプラス1

2017/1/7付 NIKKEIプラス1

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 休み明け、初出社した机の上に年賀状の束がありました。両面とも印刷だけのものもあり、返事を出すか迷います。社会人として恥ずかしくない対応を教えてください。

■「手書きで一言」には返信

 7日時点で年賀状を投函(とうかん)するのは遅すぎて失礼。まずは受け取った年賀状を分類しよう。

 宛名面と文面の両方とも印刷で、個人宛てのメッセージなどがない場合は営業用と割り切り、返事を出さない人は多い。ビジネスマナー研修を手掛けるフィールドデザイン(東京・渋谷)の中山佳子社長もその1人。自身も毎年、PRの一環で営業用に年賀状を送っている。「挨拶に回るべきなのに『私のことを忘れないで』と年賀状で済ませているので、返事がなくても何とも思わない」という。

 ビジネスメール講習を手掛けるアイ・コミュニケーション(東京・千代田)の平野友朗社長も同じだ。「自筆の一言が添えられているものだけ返事を出す」という。スピード感が命なので、日ごろから連絡を取り合う電子メールなどを使うという。

 とはいえ、メールのやりとりがない取引先の年上の人や、今後も長く付き合いたい重要人物から思いがけずに届いた年賀状はそうもいかない。中山さんは寒中見舞いを手書きすることをすすめる。

 「遅くなってすみませんというわび状」(中山さん)なので、年賀はがきは使わない。仕事の印象が強いボールペンより、万年筆か水性サインペンを。無地は味気ないので、シールを貼るか、季節の絵柄があしらわれたはがきを使う。「とめ・はね・はらい」を意識して書けば、丁寧に時間をかけたことは伝わる。

 例文には寒中見舞いに必要な要素がすべて入っているが、新年のあいさつか気遣いの気持ち、どちらかだけでもいい。ビジネスなので署名して印象づける。そして来年は、年賀状を出そう。

■メール 定型避け具体的に

 年賀状が両面とも印刷だったとしても、個別にメッセージがあった年賀状には返事を出そう。その場合はメールやフェイスブック(FB)のメッセンジャーなどが便利だ。

 中山さんは「いつもお互いがやりとりしているツールを使えばいい」と話す。仕事でメッセンジャーを使う人は増えている。「早い上に『FBで楽しく拝見しております』など一言を添えられて使いやすい」。平野さんが仕事でメッセンジャーをやりとりするのは2、3日に1回連絡をするような比較的親しい間柄の人なので「年賀状ありがとうと率直に伝える」という。

 メールの場合は昨年のお礼、今年の抱負、用件の確認と並べるとスマートだ。年賀状のお礼は不義理と感じるなら入れなくていい。「ありがちな定型文だと見透かされる。相手との仕事で生まれた素直な気持ちを具体的に盛り込もう」(平野さん)

 文言は工夫したい。例えば遅れた理由を入れる。「年末年始は実家に帰省し、久しぶりに故郷の自然に触れてまいりました」。長く休んだ人には有効だ。「しっかり充電ができました。気持ちも新たに、鋭意仕事に取り組む所存です」と続ければ、決意表明を受けて応援したいという気持ちになるだろう。

 連休明けの10日にメールを送ると、年賀状を受け取り仕方なくメールで返事を出したと受け止められ、かえって失礼ではないかと思う人もいるかもしれない。ならば、仕事で会う機会がある直前に、約束の確認を兼ねてお礼のメールを送るのも手。2月であっても「今年初めてのメールです、よろしくお願いします」と一言添えればいい。「大慌てで定型文を使った虚礼のようなコミュニケーションをとるよりも相手に真っすぐ伝わる」と平野さん。

 オンタイムではない休日の夜などに、個人のアドレスからメールを送るのはマナー違反。BCCで一斉送信するのもやめよう。グリーティングカードや動画もデータ量が多く、手間がかかってかえって迷惑かもしれない。遅れて出すそのメールで相手が喜ぶかどうかが重要だ。

 「年賀メールが仕事につながることもある」と平野さん。年賀状の束を放置せず、ビジネスチャンスにつなげよう。

(畑中麻里)

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[NIKKEIプラス1 2017年1月7日付]

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