アプリでじっくりDIY 小物や家具、自分だけの一品
アクセサリーや部屋のインテリアを手作りする「DIY(Do It Yourself)」のブームが若い女性や主婦の間で広がっている。年末の休みにはじっくりとDIYに取り組みたいという人にお勧めなのが、さまざまな作品の作り方をまとめたアプリやサービスだ。材料集めや手順で悩みがちな初心者でも、自分だけの一品を作り上げる楽しさを実感できるはずだ。
「クリスマスにはキャンドルやドライフラワーを使った手作りインテリアでテーブルいっぱいに飾りたいです」。そう話す東京都の山田麻央さん(28)はワンダーシェイク(東京・目黒)のアプリ「Creon(クレオン)」を使ってお気に入りの作品を探している。アプリ上では、インテリア、小物、雑貨や文具など1000以上もの作品が並び、作り方を参照できる。
作り方丁寧に説明
山田さんは約3年前から友人とピアスなどアクセサリーの手作りを始めた。アクセサリー以外にも挑戦したいと、SNS(交流サイト)で好みの作品を探したところ「完成した作品の写真はあっても、作り方が書いていない場合が多かった」(山田さん)。そこで作り方の解説が読めるCreonを使い始めた。料理のレシピのように、手順ごとに写真が用意され、丁寧な説明が書いてあるので、分かりやすい。試しに飾りがついたヘアバンド作りに挑戦してみると迷わずに作業ができた。
作り方をまとめた解説は利用者が投稿したものだ。山田さんも、友人と作ったクリスマスリースの作り方を投稿してみた。「スマホのカメラで写真を撮って、あとで説明を付けるだけ。簡単だった」と山田さん。今後は作り方を見た人のコメントを読むなど、利用者同士の交流も楽しみにしている。
解説や写真に分かりづらいところがあった場合は「投稿した利用者に、もう少し写真を増やしてくださいなどと、お願いをすることもある」とCreonを開発した山田光氏は話す。誰もが楽しめる分かりやすさで「DIY界のクックパッドを目指したい」(山田光氏)と意気込んでいる。
小物だけでなく家具や部屋のリフォームなど本格的なDIYの手順も参照できるアプリがリミア(東京・港)の「LIMIA」だ。家具作りやリフォームというと男性が手がける日曜大工をイメージしがちだが、LIMIAの利用者のうち7割は女性だ。「女性タレントが部屋をリフォームするテレビ番組のほか、写真SNSのインスタグラムなどで模様替えした人の部屋を見て、自分でもやってみたいと感じる人が増えている」(リミアの浅沼達平社長)
節約などテーマに
雑貨、収納、節約など生活に密着したテーマの投稿がそろっているのも、女性に人気がある理由の一つ。初心者でもアイデアを投稿する楽しみが実感できるように、写真1枚から参加できるフォトコンテストを定期的に開催している。
CreonやLIMIAに掲載された投稿を見るとタイトルに「100均」というキーワードが目立つ。セリアやダイソーなど100円ショップの商品を材料にした作品という意味だ。
セリアは同社のWebサイトでも多数の「手作りレシピ」を公開している。「店舗にはアクセサリーに活用できる多くのパーツ類や、紫外線で硬化するUVレジン液などの専門材料もそろえているので、それらを生かしたレシピを提案している」(セリア営業部の岡本萌氏)。作り方の手順はパソコンで印刷しやすいように、PDF方式になっている。スマホ画面を見ながら作業するのは目が疲れそうという人でも、ダウンロードして紙に打ち出せば安心だ。
(コンテンツ編集部 松元英樹)
[日本経済新聞夕刊2016年12月22日付]
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