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加齢性難聴、放置は禁物 認知症など併発の恐れ

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NIKKEI STYLE

 年とともに耳の聞こえが悪くなる加齢性難聴。「年だから」と放置する高齢者は多いが、見守る家族は不自由や危険はないかと気になる。医師の診断を受けて対処するのがいいが、おっくうがる親に治療に前向きになってもらうのは簡単ではない。また、補聴器を付ける暮らしで気をつけることは? 対応のヒントを当事者の話から探った。

岩手県花巻市で夫と2人暮らしの平野定子さん(82)。週1回、様子を見に来る長男夫婦が定子さんの異変に気づいたのは2年前のことだ。「テレビの音がとても大きく、呼びかけても返事がなかった」という。

ところが当の定子さんは「時々、聞こえにくくなるだけ」と意に介さず。息子夫婦の「難聴が進むのでは」との思いと裏腹に、定子さんは「体の衰えは年だからしょうがない。通院などしたら、息子らに気を使わせるだけ」と思っていた。

東京医科大学病院(東京・新宿)の聴覚・人工内耳センターの河野淳教授は「定子さんの症状は、おそらく加齢性難聴だろう」と話す。定子さんのように考え、放置する高齢者は多い。河野教授は「家族は『聞こえが悪くなるのは恥ずかしいことではない』と早めに病院に行くように促し、聴力検査で正確な診断を受けてほしい」と助言する。

難聴に気づくきっかけはいろいろ。テレビの音が大きくなるほか、会話で聞き返すことが増える、後ろから声をかけられると聞き取れない、などだ。

難聴は放置すれば進むとされる。さらに「耳から入る情報が少なくなると脳が衰え、認知症など他の病気を併発する恐れも」と河野教授。加齢性難聴は、家族に予期せぬ介護の負担をもたらしかねない。診察を受けたら、難聴の原因が実は大量の耳あかや中耳炎による水だったということもある。これらは治療できる。

医師に補聴器を勧められたら、まずは専門の販売店を尋ねるとよい。通販もあるが、技術者がいる店なら「高い音が聞きにくい」「低音を聞こえやすく」など個人の状態や要望に合わせて機器を調整してくれる。購入前に1カ月ほど試すことができる場合もある。

補聴器製造のリオンのリオネットセンター新宿(東京・渋谷)の榎沢渉所長は「補聴器を選ぶ際は、家族など周りの人も一緒に来てほしい」と話す。補聴器を付けても、元通りに聞こえるわけではない。周りの理解や配慮が必要だからだ。

「ゆっくり、はっきり話すのが大事」と榎沢さん。単語で区切る、「きょうは」「体の調子は」「どうですか」などと文節で区切る話法も心がけたい。家で話をする時は、テレビの音を小さくして言葉が聞きやすくなるようにする。榎沢さんは「高齢者は新しいことに慣れるのに時間がかかる。補聴器の使い始めは無理強いせずゆとりを持って接して」と付け加える。

東京都板橋区に住む根岸重一さん(93)は加齢性難聴で、右耳に補聴器を付けて10年。当初は、それまで気にならなかった「新聞をめくるカシャカシャといった生活音が大きく聞こえて不快だった」という。販売店で雑音を抑えるよう何度も調整、今は「ストレスがない」。同居する次女の高野淳美さん(64)は「父の正面に向き合い、ゆっくり、はっきり話す」という。

聞こえなかったものが聞こえるようになれば、生活の質が高まる。加齢性難聴かもと思ったら、自身も家族も「年だから」で済ませないで考えてみよう。

◇     ◇

補聴器、普及進まず

日本補聴器工業会(東京・千代田)が2015年3月に行った調査によると、調査した全国約1万4000人のうち11%が難聴者だった。これを基に国内の難聴者数を推計すると約1430万人。その7~8割が加齢性難聴だとしている。

調査では、難聴者の割合は65~74歳で18%、74歳以上は41%。ところが65歳以上の難聴者で補聴器を使うのは15%、全体でも13%と諸外国より低い。欧米は購入の際に公的補助があるが「日本の補助は重度の難聴者か一部自治体による児童・高齢者向け制度に限られている」(同工業会)。

標準的な補聴器は両耳で15万~30万円と決して安くはない。だが「片耳だけ使っても問題はない。小型化やデジタル化など進歩している。購入も検討してみてほしい」(同工業会)。

 ▼加齢性(老人性)難聴 内耳にある器官の一つである蝸牛(かぎゅう)を覆う3万~5万個の有毛細胞が加齢に伴い、毛が折れたり細胞自体がはがれ落ちたりして、外から入ってくる音を十分にとらえられなくなり、聞こえが悪くなること。50歳くらいから発症するといわれる。
 有毛細胞は鼓膜と耳小骨へと伝達された音を受け止める。受け止めた後、音をアンテナのように電気信号に変え、聴神経に送り脳に届けられる。脳は信号を瞬時に処理・解析して何の音かを感知したり、言葉を理解したりする。

(保田井建)

[日本経済新聞夕刊2016年12月15日付]

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