Good old boys 本多孝好著
弱いサッカーチームと父
異色のサッカー小説だ。クラブチーム「牧原スワンズ」の特徴はひたすら弱いこと。監督やコーチが勝つことを目指していないからだ。勝つことだけを目標に子供たちを支配する強豪クラブに対して批判的なのである。そのなかでも小学4年生がいちばん弱い。その彼らが強くなるまでの話かというと、そうではない。
異色、というのは本書の主人公がその小学4年生の8人の父親たちであるからだ。会社員、整備士、トラックの運転手とその職業はさまざまで、中にはブラジル人もいたりする。共通するのは彼らの年齢が30代の半ばから40代であること。その8人の生活と意見が、巧みなキャラと挿話のもとに描かれていく。うまいうまい。
★★★★
(文芸評論家 北上次郎)
[日本経済新聞夕刊2016年12月15日付]
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…
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