ワカサギの柳川鍋仕立て
「柳川鍋」とは、本来はドジョウとゴボウなどを甘からい「割り下」で煮て、卵でとじた料理。江戸発祥といわれ、下町を中心に名店が点在します。ただ、ドジョウは一般には流通しづらい魚。そこで、冬になると店頭に並ぶワカサギで柳川鍋風に仕立てました。ドジョウの旬は夏で、ワカサギは冬~春なので、冬版の柳川鍋といったところです。ワカサギはうろこがほとんどなく、骨がやわらか。はらわたのにが味も気になりません。そのため、さばかずに丸ごと食べられるのが魅力です。
ところで、ワカサギというと、「極寒の地で、凍った湖に穴を開けて釣るもの」というイメージが根強いのではないでしょうか。冷水性の魚ではありますが、順応性が高く、実は日本全国で水揚げされています。北海道をはじめ、琵琶湖など寒くない地域でもよくとれるそうです。
・ワカサギ200グラム
・ゴボウ100グラム
・卵2個
・A(だし200ミリリットル、みりん大さじ2、酒大さじ2、しょうゆ大さじ2)
・粉ざんしょう少々
作り方(調理時間15分)
(1)ゴボウは皮をこそげて、長さ4~5センチのささがきにする。水にさっとさらして、水気をきる。
(2)ワカサギは洗い、ざるにとって、水気をきる。
(3)浅めの土鍋か深めのフライパンに、ゴボウとAを入れて、中火にかける。煮立ったらワカサギを加え、4分ほど煮る。
(4)卵を割りほぐし、(3)に回し入れて、ふたをする。半熟状になったら火を止め、30秒ほどむらす。土鍋ならそのまま、フライパンなら器に移し、さんしょうをふる。
ひとくちメモ
柳川鍋に欠かせないゴボウ メーンはあくまで魚ですが、ゴボウの独特の香りは、柳川鍋に欠かせないものです。アクを抜くため、ささがきにしたら水にさらしますが、香りまで抜けてしまわないよう、長くても5分程度で引き上げましょう。
(ベターホームのお料理教室 写真は大井一範)
[日経プラスワン2016年12月10日付]
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