大掃除・片付けで大わらわ 楽しく計画的にこなすテク
毎年、年末年始は家の片付けや大掃除などでアタフタと大慌てしてしまいます。楽しく計画的に取り組むには、どんな段取りを考えればいいのでしょうか。
段取り書き出し見える化
「まずは年末年始に向けてやるべきことを書き出して整理すること」。ファイリング・コンサルタントの小野裕子さんは、見える化することで行動が整理でき、計画が立てやすくなると話す。
小野さんは2012-13年版から「年末年始段取りノート」を販売している。利用者からは「書き出したら先の見通しが立てられた」「慌てることなく過ごせた」などの感想が寄せられたという。
ポイントは、頭の中を整理すること。換気扇の掃除、クリスマスケーキやおせち料理の予約、美容院やジム、子どもの習い事最終日など、思いつくまま書き出していく。次に日付を決め、スケジュール帳やカレンダーに書き込む。あとは行動に移すだけ。終わったら塗りつぶしてもいい。
カレンダーに書き込むときは、ゴミの最終収集日など核となる日を意識する。その日まで残された時間が分かり、現実的な計画が立てられる。帰省や旅行を予定するなら、その日から逆算して考える。
ゴミの日は、可燃・不燃・粗大ゴミの収集日を確認する。家事アドバイザーの毎田祥子さんは「コンロのアルミカバー、電球の取り換えは不燃物の前日まで、など期限を決めていくといい」と話す。洗剤や掃除グッズは使い切ればゴミが出る。消費期限切れの食品、衣類の整理も収集日を見て進めることで、年内の収集日前に大慌てせずに済む。
次に期限が来るのはお歳暮や年賀状だ。お歳暮を送るなら12月20日ぐらいまでに届けられるよう手配が必要。15日から受け付け開始の年賀状も、事前に住所録や筆記類、パソコン用品の点検まで書き出しておくと、書こうと思い立ってから投函(とうかん)までがスムーズに進む。
年末年始のイベントの山場はクリスマス。部屋を飾り付けたり、ごちそうを食べたり楽しく過ごしたい。クリスマスが終わったら、家族みんなでツリーを片付けて気持ちを切り替える。正月準備に取りかかるのに、ちょうどいいタイミングだ。
正月飾りをするのに、29日や31日は不向きといわれる。29日は「苦」に通じ、31日は「一夜飾り」となるからだ。こうした日はおせち料理の準備や買い物に充てるといい。年末年始のストック食材を買い出しておくと後が楽だ。
「家族やおせち料理の写真をノートに貼って、毎年の年末年始の記録にしている人もいる」と小野さん。まずは書き出すことから始めよう。
分担決め家族巻き込む
年末年始の準備は、家族を上手に巻き込みたい。毎田さんは「やりたいことリストは日付を書いて張り出す」という。夫が「電球買おうか」「帰省土産を買ってこよう」など「済んでいないことを自発的にしてくれる」という。
普段から担当を決めておくのもいい。生活コラムニストのももせいづみさんは、小学生の頃から床掃除の担当は子どもという。「必要な掃除道具を自分で選び、『今年はいつやる?』と誘ってくれるようになった」
掃除や片付けを必要最低限に絞り込むのも手だ。ももせさんは年末に大掃除をしない。「年神様をお迎えするための玄関とトイレぐらい」だ。「やらねばならないではなく、やりたいからする」と発想を転換。冷たい水でバシャバシャ洗いたい網戸は夏に、きれいな景色が楽しめる窓ふきは春や秋の連休へ先送り。換気扇やレンジ台は油が緩んで掃除がしやすくなる春以降がいいという。
逆に欠かさないのが下着やパジャマ、靴下、バスマット、タオル、枕カバーの見直し。へたっていたり破れたりしたら買い替える。「掃除が行き届かなくても、これらが新しくなっているとお正月を迎える気分になる」(ももせさん)からだ。
旧暦の13日は「すす払い」。無理せず実行できる計画を立て、すがすがしい気持ちで新年を迎えよう。
(畑中麻里)
[NIKKEIプラス1 2016年12月10日付]
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