アプリで体引き締め 運動量を記録、プラン作成も
年末年始は忘年会や新年会などでつい食べ過ぎてしまい、体重を気にする人も多くなる。そこでフィットネスクラブに通ったり、自分でトレーニングしたりする人にお勧めなのがスマートフォン(スマホ)向けアプリ。ジムでの運動メニューなどを自動で記録するほか、自分に合った運動プランを作成してくれる。上手に使うことで体の引き締め効果が高まりそうだ。
「次はランニングマシンを使って体を動かしましょう」。フィットネス大手の東急スポーツオアシス(東京・港)が運営する都内のクラブ。トレーナーが利用者の男性に声をかけていく。男性の手首にはIC付きリストバンド。これとクラブ内のマシンが連動し、運動内容や消費カロリーなどが記録される。
達成感を味わう
東急オアシスは7月から全34店舗でフィットネスクラブの会員向けにスマホアプリ「オアシスリンク」の提供を開始。ランニングマシンや水泳などの運動をどの程度やったか、スタジオのダンスレッスンでどのくらいカロリーを消費したかなどがアプリに記録として残る。
ホームフィットネス事業グループの竹尾賢二さんは「利用者は従来、運動量などを感覚的に把握していたが、リアルタイムに記録することで達成感を味わいやすくなった」と語る。クラブに通う人の中にはトレーニングがつらくなり足が遠のくケースもある。自分が設定した目標に近づいていることが一目でわかれば、続ける意欲が高まる。
クラブに行かない日も歩いた歩数などを運動データとして記録できる。「クラブに来ない日の運動量を把握し、個別指導に反映させる」(竹尾さん)のが狙いだ。普段の運動量が多ければクラブでは軽めの運動、といった指導に生かす。自宅でストレッチなどの動きが分からなくなった場合に備え、動きを解説した動画も配信する。
自分で運動をする人に向けたアプリが、ナイキの「ナイキ+トレーニングクラブ」だ。従来は女性向けだったアプリを6月にリニューアルし、対象を男性にも広げた。専門家がアスリートの意見を反映させながらつくった約100種類以上のトレーニングメニューを用意し、すべてに動画と音声が付いている。
利用者はこれを参考にしながら自宅や屋外で運動できるのが特徴だ。「アプリの指導に沿って体を動かすことによって、効率よく短時間で目標に到達しやすくなる」(ナイキジャパン担当者)
目的別にメニュー
自分の目的やレベルにあったトレーニングのプランをつくることも可能だ。プランは4週間のコースからで、ジャンルは「基本的な運動」「体の引き締め」「持久力の強化」などがある。作成には、まず自分の身長と体重を入力。そしてプランにランニングを含めるかどうか、ダンベルなどの器具を使うかなどを選ぶ。すると自動でプランができあがる。
たとえば、「1日目はこのメニュー」という表示がされ、筋トレやランニングなどのメニューを毎日こなす。プラン通りにできなかった場合は自動でスケジュールが変更される。トレーニングするうちに物足りなかったり、きつすぎたりするときは内容を変えることもできる。
キッコーマンのアプリ「レコ☆サポ」は運動ごとに消費カロリーや食事内容、摂取カロリーを手軽に記録できるのが特徴だ。自宅の食事のほか、コンビニエンスストアや外食チェーンの10万種類以上のメニューを蓄積。利用者が「おにぎり」や「サンドイッチ」と入力すると、該当する商品のカロリーを表示する。グラフで日々の変化を確認することもできる。ほかの利用者が投稿した食事内容にコメントや応援のメッセージを送る機能もあり、互いに励まし合いながら続けてもらう。
(メディア戦略部 古山和弘)
[日本経済新聞夕刊2016年12月8日付]
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