働き方という病 江上剛著
不遇な時代こそ自分を磨け
ミドルとして身勝手取締役に囲まれて、修羅場をくぐり抜けてきた著者による、ビジネスパーソンとしての生き方を語った本である。
著者は49歳で銀行を辞め、小説家として自立した人だ。とはいえ評者は著者の小説ではなく職場人生の含蓄にあふれたエッセイのファンである。
失敗して成長する新人時代20代後半、そして30代は「立つ」ことと、平凡な人生プランを描く年齢だ。不遇と思う時代こそが自分を磨く時だと著者はいう。同感だ。
次の40代、とくに後半は岐路である。「あなたや私が、もし人材であれば、世の中の人が捨てておかない」と本書は語る。問われるのは自らの鍛え方だ。
★★★★
(福山大学教授 中沢孝夫)
[日本経済新聞夕刊2016年12月8日付]
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…
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