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骨髄移植素早く 患者登録から手術「100日が目標」

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白血病患者らが受ける骨髄移植は、患者の登録から移植を終えるまで150日前後かかることが多い。リスクを伴うため、ドナー(提供希望者)を含め検査や意思確認に細心の注意を要するためだ。ただこの「コーディネート期間」はここ10年ほとんど変わらず、病状から提供を待てない人もいる。手術を担う施設の空き状況の共有やドナーの実態調査など、短縮に向けた取り組みが広がってきた。

「骨髄バンクからの移植では間に合わない」。大阪府に住む50代の女性は今年10月、主治医からこう告げられた。昨年2月に白血病で抗がん剤治療を始め、約4カ月の入院の末、いったんは良くなった。しかし再発が判明。進行度合いから骨髄移植は選べず、やむなく治療成績が劣る別の治療法に進んだ。

欧米より長い期間

血液をつくり出す造血幹細胞を含む骨髄液を健康な人から採取し、治療が難しい血液疾患の患者に移植するのが骨髄移植だ。リンパ腫や再生不良性貧血でも選択される。移植後の感染症などで命を落とすこともありリスクが高い半面、根治が望める手段でもある。

ドナー由来の細胞が患者を攻撃しないよう、白血球の型が合わなければならない。ただ親族間でも合う確率は4分の1。このため多くの登録が欠かせず、日本骨髄バンク(東京・千代田)の仲介で親族外の移植が行われる。

街頭での呼び掛けなどに応じ、登録したドナーは10月現在で約47万人。その中から患者と型が合う人を最大5人選び、健康状態を確認するなどして1人に絞り込む。ドナーとその家族の最終同意や骨髄液の採取を含め、数多くの段階を経て移植に至る。

コーディネート期間は2015年度で147日(中央値)で、05年度以降、あまり変化がない。ドナー本人が同意すれば移植する場合が多い欧米に比べて長く、厚生労働省は「100日が目標」とする。

同省は関東や中部など全国8地区で、都立駒込病院(東京・文京)など計9カ所を骨髄移植の拠点病院に指定。各地区で短縮に向けた模索が始まっている。

近畿地区では7月、骨髄採取手術を担う34病院をメーリングリストでつないだ。3カ月先までの手術室の空きや担当医の状況を共有、仲介する骨髄バンク近畿地区事務局が確認できる。

事務局の担当者は「受け入れ可能かどうか判明するまで2週間以上かかることもあったが、2日以内に短縮された」と驚く。枠組みを提案した拠点病院・大阪市立大学病院(阿倍野区)の日野雅之教授(血液内科)は「関係者に積極的に受け入れようという意識が出てきた」と指摘する。

ネットで白血球型

ドナーから採血し、白血球の型などを管理する日本赤十字社(東京・港)は18年から、患者の主治医や骨髄バンクがインターネット上でこうした情報をやり取りできるシステムを運用する予定だ。従来は郵送やファクスで行い、手続きに時間がかかる一因だった。

ドナーが登録後に病気になったり、連絡が取れなくなったりする場合がある。白血球の型が合ったドナーへの連絡は1度に5人までだが、実際に移植されるまでには10人以上の仲介が必要とされる。このため骨髄バンクは国と対応を協議。1度に10人まで連絡できるよう変更を求めている。

これまでの実績を詳細に調べ、短縮に生かそうという試みも。国立がん研究センター中央病院(東京・中央)の福田隆浩科長(造血幹細胞移植科)らは04~13年に骨髄バンクが仲介した約22万件を分析。連絡を受けたドナーの約6割が様々な理由で提供に至っていないことが分かった。

福田科長は「患者側の事情で移植しなかったが、ドナーは同意しつつあったケースもある。それぞれの状況が分かれば効率的に仲介できる」と話す。医師やコーディネーターら約1400人へのアンケートも実施、結果や提言を来年初めにも公表する予定だ。

患者支援のNPO法人「血液情報広場・つばさ」の橋本明子代表は、移植までの期間が長いために骨髄バンクを利用できない多くの患者を目にしてきた。「今後は短縮が実現されると信じている」と話す。

◇     ◇

移植件数は横ばいに

日本骨髄バンクは骨髄移植のほか、腕などから採取した血液中の造血幹細胞を移植する末梢血(まっしょうけつ)幹細胞移植も仲介している。同バンクを通じた移植件数は2015年度で両方合わせて1234件。コーディネート期間が長いこともあって近年は頭打ちの状況だ。

一方、あらかじめ凍結保存しておいたへその緒の臍帯血(さいたいけつ)を移植する場合は期間が短い。骨髄移植に比べ治療成績は劣るが、10年度に1000件を突破し、15年度には1311件と初めて骨髄バンクを通じた移植を上回った。

骨髄移植ではドナーにもリスクが伴う。骨髄液を採取する際は全身麻酔などが行われる。国内では過去に、家族間の骨髄移植でドナーが亡くなった事例が1件報告されている。

(藤井将太、辻征弥)

[日本経済新聞朝刊2016年12月4日付]

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