MONO TRENDY

デジタルライフ

私の「とっておき」配信 観光や店情報、手作り品販売

2016/12/1付 日本経済新聞 夕刊

 旅先や忘年会の店探しでネット検索するとき、「もっと自分の好みに合った情報はないだろうか」と思うことがあるだろう。そんなときに役立ちそうなサービスが広まり始めている。アプリなどで投稿者らが地元の隠れた名所やグルメといったオススメ情報を気軽に紹介できるため、利用者はより多様な情報を得ることができる。

 「休みができたから、どこかへ出かけて特別な体験がしたい」。そんな人にぴったりなのが旅行関連サイト運営のホリデー(東京・渋谷)の「Holiday(ホリデー)」。地元の人が知る人ぞ知る名所を紹介したり、実際に訪問した人がおすすめスポットを気軽に紹介できる。サービス統括責任者の友巻憲史郎氏は「既存の旅行ガイドに掲載されていない、穴場情報を提供できる」と胸を張る。

■十人十色の切り口

投稿者の属性やコメント内容を参照して店を探すアプリ「Retty」(東京都品川区のビストロメランジェ)

 旅先で投稿したいと思った場合、プランのタイトルや地名などをひな型に入力していくだけで済む。写真なども簡単に追加でき、「誰でも旅行雑誌のようなページを作れる」(友巻氏)。

 一般の人が気軽に発信できるため、「酒に溺れに高知を旅する」「東洋のハリウッド・東大阪市。不思議な地蔵尊と回転寿司発祥の地。」など十人十色の切り口でプランがあるのも特徴だ。熊本県を旅行するときに活用した大阪在住の20代男性は「地ビールが飲めるスニーカー専門店などガイドブックにあまり載っていないような場所を巡れて楽しかった」と話す。

 ユーザー数やダウンロード数は非公表だが、プランの数は「5000以上」という。東京や神奈川が多いものの、全国47都道府県を網羅している。

 レストランの口コミサイトなどに「コスパがいい」と書かれていても、自分の好みに合うとは限らない。求める条件に近い人の感想を参考にできるのが、グルメ情報サイト運営のRetty(東京・品川)のアプリ「Retty(レッティ)」だ。

 レッティでは投稿者は実名での登録が義務づけられている。また任意ではあるが、食べ物の好みやよく行くエリア、利用目的などを含む紹介文も掲載する。利用者はエリアや食べ物のジャンルだけでなく、「接待」や「女子会」など目的別でも検索が可能。紹介文から投稿者の嗜好などが分かるため、自分の好みに近いかを判断しやすい。

 また店舗から広告料を受け取った情報は掲載していない。「一般の人がおすすめしたい店舗だけが掲載されている」(Retty)という。一般的なグルメ口コミサイトと違い、店舗の良しあしを点数化しておらず、投稿者の属性やコメント内容から最適な店を探すことになる。

 投稿者数やユーザー数は非公表だが、投稿機能を持たないウェブ版と合わせて、閲覧者数は月間2200万人だという。

■作家にメッセージも

 プロでない一般の人が、誰でもアクセサリーやファッション雑貨など手作りの作品を売買できるアプリも好評だ。GMOインターネットグループのGMOペパボが手がける「minne(ミンネ)」は、2012年のサービス開始以来、ダウンロード数は650万にのぼる。約30万人の作家が439万点の作品を販売・展示。流通額は今年中に100億円を目指しているという。

 minne事業部の阿部雅幸副部長は「市販の製品と違い、他では売っていない自分の好みの掘り出し物に出合える可能性があるのが魅力」と強調する。作り手のプロフィルや利用者による評価も知ることができる。アプリでは作家にメッセージを送ることもできる。

 観光やグルメだけでなく、アクセサリーなどでもより多様な情報が入手できるようになってきた。こうしたアプリを使えばより自分が必要としているものに出合えるかもしれない。

(メディア戦略部 夏目祐介)

[日本経済新聞夕刊2016年12月1日付]

MONO TRENDY新着記事

ALL CHANNEL