フランスはどう少子化を克服したか 高崎順子著
保育の仕組み きめ細かく
人々の働き方や生き方、そして企業や社会のあり方にかかわる本である。著者は合計特殊出生率が2.0前後を維持するフランスの「出産」や「育児」の仕組みを詳細に紹介しているが、これなら人々は安心して子供が産めるな、と評者も思った。
少子化の原因の一つは、出産と子育てが女性の働き方を大きく制約するからであることはいうまでもないが、本書を読むと、フランスの幼児教育や保育の仕組みのきめの細かさに驚く。
もちろん、国や地域によって歴史経路が異なるので、だから日本も……などと簡単にモデルにすることはできない。しかし本書によって出産と育児は単なるプライバシーではない時代がやってきていることがリアルにわかる。
★★★★
(福山大学教授 中沢孝夫)
[日本経済新聞夕刊2016年11月17日付]
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…
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