着ていく服がない! ぎっしりクローゼット、もうイヤ
クローゼットに服はたくさんあるのに、明日着ていく服がありません。無駄な服が多すぎて、着たいものが見つからないのです。選びやすいクローゼットにするにはどうすればいいですか。
3年着ない服は手放す
着なくなった服をなかなか処分できず、クローゼットにぎっしりため込んでいる人が多い。「もうサイズは合わないけど高かったから」「流行遅れだけど思い出があるから」など、理由はさまざまだ。
いつかまた着るかもしれない、捨てるのはもったいないという気持ちはよくわかる。「でもその"いつか"はなかなかやってこない」と話すのは『服を整理すれば、部屋の8割は片付く』の著者でスタイリストの河井真奈さん。「服は自己表現のツール。愛着のある服、今の自分に必要な服だけのクローゼットにアップデートすべき」。不要な服を取り除けば、本当に着たい服が埋もれて見つからないというストレスがなくなる。
服の適正量はライフスタイルや季節にもよるが、「一般的にニットやパンツなどアイテムごとに1シーズン各3~4点あれば十分。全部で30点もあれば、そのシーズンの着回しが楽しめる」と河井さん。服は死蔵するものではなく、日々のコーディネートに生かすもの。「3年着ていない服は、手放す対象と考えて」(河井さん)
衣料品収納の専門家、クローゼットオーガナイザーの林智子さんは、服の断捨離にあたり「5年後、どんな自分になっていたいか思い描こう」と話す。「かっこいい大人の女性になりたい。だからかわいすぎるこの服はもういらない」など、おのずと取捨選択の基準が明確になる。手放すものだけでなく、買い足すべきものも見えてくるだろう。
クローゼットを過去の服に占拠させない。「今と未来の自分を輝かせるために整理を」(林さん)。目指したいのは稼働率の高いクローゼットだ。
まず全部出して仕分け
膨大な服の中から不要なものだけを抜き出すのは、なかなか難しい。林さんは「まず服を全部外に出す」ことを勧める。出したらアイテム別に分類し、何がどれだけあるか把握しよう。そして「好きな服、本当に必要な服だけクローゼットに戻して」。
整理というと捨てるものに目が行きがちだが、先に必要なものを選ぶべき、と林さんは言う。クローゼットが好きな服だけになりすっきりすると、「ここをまた不要な服でぎゅうぎゅうにしたくないという気持ちになるはず」。
次のステップは戻さない服の仕分けだ。明らかに何年も着ていなくて、これからも着ないと思うものは処分する。「状態が良ければ売ることができる。必要とする人に譲ることも」(林さん)。処分か残すか迷う服は、紙袋や箱に入れて一時置き場へ。半年など決めた期間内に一度も出さなければ不要ということ。
断捨離後は出し入れしやすく選びやすい収納法を考えよう。「オンシーズンの服は一目瞭然なことが重要。できるだけハンガーにかけ"見える化"を」(林さん)。持っているものを把握でき、無駄な買い物も減らせる。林さんのクローゼット=写真=を参考にしよう。
ハンガーは同じ薄型のもので統一したい。薄型なら服がかさばらず、たくさん収納できる。河井さんは「ハンガーの本数を決め、それ以上増やさないようする」。新しい服を買ったら何かを手放す。一定量を維持すれば、クローゼットが荒れない。「同じアイテム別に並べ、その中で同系色ごとに並べると良い」(河井さん)。コーディネートをしやすくするコツだ。
シワになりにくいカットソーやデニムは、アイテム別にボックスに入れる。「自立するように畳んで縦に収納すれば、上から一覧できる」と林さん。アクセサリーやバッグといった小物も、別の場所に置かず、服のすぐそばに一覧できるように置こう。服との組み合わせを考えやすい。
オフシーズンの服は、ボックスに入れて上段に上げる、通気性のあるカバーをかけるなどして保管。「オンシーズンの服と差別化でき、ホコリも防げる」(林さん)
おしゃれはクローゼットの整理から始まると心得よう。
(ライター 松田 亜希子)
[日経プラスワン2016年10月29日付]
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