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専門家が選ぶ 昼も夜も紅葉を楽しめる庭園東西10選

2016/10/1付 日本経済新聞 プラスワン

■年経た景観 映える錦秋

 秋風が爽やかな季節。日本庭園を散策しながら色とりどりの紅葉を堪能するのは格別だ。最近は紅葉に合わせてライトアップを実施する庭園が増えている。「ライトに照らされた紅葉が堀や池の水面(みなも)に映り込む光景は美しい」(夜景写真家の中村勇太さん)。そこで昼も夜も紅葉を楽しめる庭園を、専門家に選んでもらった。

 東西とも由緒ある大名庭園が上位に入った。六義(りくぎ)園と兼六園の「六」はともに中国の古典にゆかりがあり「多彩な魅力を備えるさま」を表す。元の地形を生かしながら、築山や池の配置など景観を周到に計算し、年数をかけて作られた庭園は、移ろいゆく錦秋を味わうのにぴったり。紅葉が始まる頃からもみじ祭りを開いたり、抹茶などを提供したりする庭園もある。

 今回評価が高かった庭園の多くは交通の便がよく、時期や時間帯を変えて訪問するのもおすすめだ。ただ、開園やライトアップの時間は時期によって変動することがあるので、事前チェックを怠りなく。暖かい服装で、秋の夜長の紅葉をじっくり味わいたい。

東1位 六義園(東京都文京区) 760ポイント
都会のオアシス、仕事帰りに紅葉狩り

「つつじ茶屋」

 徳川5代将軍・綱吉の側用人、柳沢吉保が7年の歳月をかけて作り上げた。和歌の趣味を基調とする回遊式築山泉水庭園に、約560本のモミジなどが彩る。明治時代にツツジの古木を使って建てた「つつじ茶屋」が名所。ライトアップ期間中は造園当時にあった小川「水香江(すいこうのえ)」を青い光とミストで再現。「水面に鏡のように映る紅葉のライトアップは均整がとれている」(丸田あつしさん)。抹茶茶屋など「茶屋やお土産も充実」(スノードロップさん)。「仕事帰りのデートにもおすすめ」(中村勇太さん)。

 (1)11月19日~12月7日(2)9時~17時(ライトアップ期間は21時まで)(3)300円(4)JR駒込駅から徒歩約7分(5)03・3941・2222

東2位 弘前公園(青森県弘前市) 580ポイント
急な冬の足音、鮮やかなカエデの赤

南内門

 弘前城を囲む49万平方メートル超の敷地に約1000本のカエデや約2600本の桜が色づく。「東北特有の急激な温度低下による色鮮やかなカエデが見どころ」(雨宮健一さん)。撮影スポットは南内門。ライトアップ期間中、植物園で菊人形が登場する「弘前城菊と紅葉まつり」を開催。「歴史的建造物のやぐらと紅葉のライトアップがおすすめ」(中村さん)。

 (1)10月21日~11月13日(2)植物園は9時~17時(ライトアップ21時まで)(3)植物園310円(ライトアップ無料)(4)JR弘前駅からバス約15分(5)0172・37・5501

東3位 弥彦公園(新潟県弥彦村)

観月橋

 16万平方メートルの敷地には滝や渓流、高台があり「トンネルを抜けると別世界のような赤や黄色の紅葉が広がる」(寺澤秀治さん)。朱色の観月橋がかかる「もみじ谷」は「360度真っ赤な紅葉に囲まれて圧巻」(雨宮さん)。「新米など食の魅力と相まって秋の旅におすすめ」(富本さん)。

 (1)10月29日~11月24日(2)ライトアップは17時~21時30分(3)無料(4)JR弥彦駅から徒歩1分(5)0256・94・3154

東4位 熱海梅園(静岡県熱海市)

 梅園に380本のモミジがあり11月中旬から早咲きの梅と楽しめることも。「見晴台がいい」(羽深利絵さん)。

 (1)11月12日~12月4日(2)ライトアップは17時~21時(3)紅葉期は無料(4)JR来宮駅から徒歩約10分(5)0557・85・2222

東5位 修善寺虹の郷(静岡県伊豆市)

 古民家を背に5種類約2000本のモミジ。「池に映る紅葉が美しい」(堀内さん)。

 (1)11月18日~27日(2)9時~16時(ライトアップ21時まで)(3)1200円、夜間のみ750円(4)伊豆箱根鉄道修善寺駅からバス約20分(5)0558・72・7111

◇     ◇

西1位 兼六園(金沢市) 720ポイント
晩秋のわびさび、雪吊りとともに

ことじ灯籠

 加賀藩ゆかりの回遊式庭園に約340本のモミジ、約420本の桜など多彩な樹木が広がる。「ことじ灯籠」のそばにモミジの古木がある。松尾芭蕉の秋の句碑や五重塔がある築山「山崎山」は「紅葉山」とも呼ばれ、カエデやトチノキが赤や黄に色づく。「池に紅葉が映え、上下左右に赤、黄、朱に染まる様は万華鏡のよう」(富本一幸さん)。11月からは冬の風物詩、雪吊りの作業が始まり、晩秋の風情を楽しめる。「日本のわびさびや歴史を感じるライトアップ」(堀内歩人さん)

 (1)11月18日~12月3日(2)10月15日まで7時~18時、16日以降8時~17時(ライトアップは17時30分~21時)(3)310円(ライトアップは無料)(4)JR金沢駅からバスで約15分(5)076・225・1542

西2位 御船山楽園(佐賀県武雄市) 680ポイント
雄大なスケール、際立つコントラスト

 鍋島藩武雄領主、鍋島茂義が1845年に造園。「岩が露出する御船(みふね)山や池など借景や背景、環境の中で生まれる紅葉の美しさに気付く」(富本さん)。50万平方メートルの敷地に約500本のモミジが広がり「スケールの大きさが魅力」(津田令子さん)。「樹齢170年のモミジや秀逸なライトアップに息を飲む」(山田祐子さん)。

 (1)11月1日~12月4日(2)8時~17時30分(ライトアップ22時まで)(3)600円(ライトアップ別途600円)(4)JR武雄温泉駅から車で約10分(5)0954・23・3131(御船山観光ホテル)

西3位 栗林公園(高松市)

湖岸の遊歩道

 高松藩歴代藩主が100年かけて作った。6つの池と13の築山がある約75万平方メートルの敷地から園内のカエデや紫雲山の紅葉を満喫できる。見どころは南湖の水面に映る紅葉や偃(えん)月橋、湖岸の遊歩道。「和船に乗って水上から見るライトアップは幻想的」(丸田さん)。

 (1)11月19日~28日(2)10月は6時~17時30分、11月は6時30分~17時(ライトアップ21時まで)(3)410円(4)JR栗林公園北口駅から徒歩3分(5)087・833・7411

西4位 玄宮園(滋賀県彦根市)

 旧彦根藩主井伊家の庭園。「天守の白壁や木の緑を背景に紅葉が鮮やか」(羽深さん)。

 (1)11月12日~27日(2)8時30分~17時(ライトアップは18時~21時)(3)200円、夜間700円(4)JR彦根駅から徒歩約15分(5)0749・23・0001

西5位 石山寺拾翠園(大津市)

 約2000本の紅葉と国宝をライトアップ。指定日には抹茶や甘酒が楽しめるカフェがある。

 (1)11月12日~27日(2)8時~16時30分(ライトアップは17時30分~21時)(3)600円、夜間600円(4)京阪石山寺駅から徒歩約10分(5)077・537・1105

◇     ◇

 表の見方 数字は選者の評価を点数化。名称、所在地(1)ライトアップ実施期間(2)開園時間(3)大人1人の入園料(4)アクセス(5)問い合わせ先電話番号。写真は各施設提供。

 調査の方法 日本観光振興協会の「全国観るなび」に紅葉のライトアップを登録している庭園から同協会の協力で東西48カ所をリストアップ。専門家に「紅葉の魅力」「ライトアップの演出」などの観点から選んでもらった。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。

 雨宮健一(KNT-CTホールディングス国内旅行部)▽敷田麻実(北陸先端科学技術大学院大学教授)▽スノードロップ(トラベルjp<たびねす>ナビゲーター)▽津田令子(トラベルキャスター)▽寺澤秀治(写真家)▽富本一幸(トラベルニュース編集長)▽中村勇太(夜景写真家)▽羽深利絵(るるぶ.com編集チーム)▽堀内歩人(はとバス企画旅行部)▽丸田あつし(夜景フォトグラファー)▽山田祐子(井門観光研究所)

[日経プラスワン2016年10月1日付]

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