終わりなき道 ジョン・ハート著
ミステリー、実は家族小説
ジョン・ハートは『川は静かに流れ』と『ラスト・チャイルド』で、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇(ちょうへん)賞を連続受賞した作家であるから、誰がどう見てもミステリー作家である。しかしこの2作にとどまらず、デビュー作『キングの死』も、その後に書かれた『アイアン・ハウス』もすべて、実は家族小説である。ジョン・ハートの特異性がここにある。いつも家族の繋(つな)がり、秘密、確執、絆、そういったものが物語の中心にあるのだ。今回も例外ではない。
物語の形態としては警察小説だ、と書くにとどめておく。これ以上はあえて書かない。シンプルな話だが、とても素敵(すてき)なラストまで一気読み。ホントにうまい。
★★★★★
(文芸評論家 北上次郎)
[日本経済新聞夕刊2016年9月8日付]
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…
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