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専門の職員養成… 頼れる「がん相談所」へ

助言の質向上が課題

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NIKKEI STYLE

 2007年策定のがん対策基本推進計画を受け、がん治療の中核を担う病院で整備が進んだ「がん相談支援センター」。がんと診断されれば、誰もが仕事の継続や治療費の問題などに悩む。それに応じる「よろず相談所」だ。ただ相談員になるための条件はあいまいで、助言の質のばらつきを指摘する声もある。いかに底上げするか、模索が始まっている。

「先生に治療法の選択肢をいくつか提示されたが、どれがいいのか分からない」「親に治療を拒まれて困っている」

がん相談支援センターには、がん患者やその家族からこんな相談が次々に舞い込む。治療方針や副作用を巡る悩みだけでない。仕事や生活をどう続けていけばいいのか、変えるべきかなど内容は幅広い。

政府は07年のがん対策基本推進計画で「がん医療に関する相談支援や情報提供等」の推進を掲げた。これを受け、それぞれの地域で中核となってがん治療にあたるがん診療連携拠点病院を中心に、同センターの設置が進んだ。

体制にばらつき

そのモデルになったのが、静岡県立静岡がんセンター(同県長泉町)が02年9月の開院と同時に設けた「よろず相談」だ。職員が常駐する専用カウンターと5つの個室を備え、医療ソーシャルワーカー(MSW)7人が対面や電話で相談に応じる。相談件数は15年度で約1万3千件と、03年度の1.8倍に膨らんだ。

相談支援センターの設置は国が指定するがん診療連携拠点病院と地域がん診療病院の要件で、計427カ所すべてに置かれている。さらに都道府県が独自に指定する拠点病院でも整備が進んでおり、厚労省の担当者は「さらに100カ所以上にあるのでは」と話す。

ただどこでも静岡がんセンターのような手厚い体制を敷いているわけではない。厚労省は仕事の8割以上を相談業務に充てる「専従職員」と、5割以上の「専任職員」を少なくとも1人ずつ配置するよう求めている。しかし国立がん研究センター・がん対策情報センターの高山智子がん情報提供部長は「この条件を満たしていないケースがあり、機能を十分に果たしていない病院もあると聞く」と打ち明ける。

「相談した問題が解決に近づいた」などと満足する患者は多い一方で、がん対策情報センターには助言内容について年間3、4件は苦情が寄せられる。それによると、▽守秘義務があるにもかかわらず、相談者の同意なく主治医らに相談内容を伝えられた▽転院できる病院を紹介してもらおうとしたら「自分で探して」と言われた――などの事例があったという。

基礎知識を研修

質にばらつきが出る要因の一つに、相談員の資格要件が明確でないことがありそうだ。厚労省の通知では専従・専任職員に「国立がん研究センターが実施する研修を一度受けさせる」とあるだけだ。

このため昨年度に「認定がん専門相談員制度」が始まった。まずがん対策情報センターのe―ラーニング(インターネット経由の遠隔講義)で基礎知識を学び、テストに合格。さらに同センターで2日間研修し、学会などの研修でも緩和ケアや臨床心理学など助言に役立つ知識を身に付ける。

認定後も毎年「認定コース」を受講し、3年ごとに更新される。認定をとった京都桂病院(京都市)の入江篤志さん(46)は「研修会などを通じて必要な情報を正しく更新、整理でき自信につながった」と話す。

4月には認定相談員を2人以上配置した相談センターへの認定制度もスタートした。認定センターには電話での相談対応について、がん対策情報センターの職員が患者役となって覆面調査をする。「問題あり」なら改善に向け指導する仕組みだ。

がん対策情報センターの高山氏は「どう体制を充実させるかは病院側のやる気次第。相談員の経験を幹部への登用の条件にするなど、医療職のキャリアパスとして根付く仕組みが必要」と指摘している。

◇     ◇

利用した/知っている 患者でも5割止まり

がん相談支援センターの存在はあまり知られていない。国立がん研究センター・がん対策情報センターが2014年度に実施した国指定のがん診療連携拠点病院134カ所への調査では、回答した約6700人のがん患者のうち「利用したことがある」「利用したことはないが知っている」のは合わせて約5割にとどまった。

全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は「がん患者にとって心強い組織であるにもかかわらず、1年近く入院していても存在を知らされていない人もいる」と指摘。入院・通院したら治療に伴う病院側への書類提出を相談センターを通じて行うようにするなど、「必ず存在を認識できるようにすべきだ」と話す。

(吉田三輪、編集委員 木村彰)

[日本経済新聞朝刊2016年9月4日付]

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