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ファッション pick-up

「できる」演出、足元オシャレ術 靴、スエードで変化

2016/9/1 日本経済新聞 夕刊

 「おしゃれは足元から」との言葉がある。靴や靴下は、スーツなどと比べ、コーディネート全体に占める割合は小さいが、目に留まりやすい。外回りをする人にとっては、履き心地や雨対策なども気になるところ。ビジネスの場にふさわしい足元のおしゃれを探った。

 「仕事の場で人に見られるものなので、品位を保ちつつ、流行も取り入れたい」。千葉県内に勤務する28歳の会社員男性は、仕事用の靴選びについてそう話す。毎日使うだけに、行き過ぎたデザインで浮いてしまうのは避けたい。

モンクストラップ(右)で靴のバリエーションを増やせる。(左)はストレートチップ

 そのように微妙なビジネスシューズ選びについて、伊勢丹新宿本店メンズ館紳士靴売り場の小黒龍一さんは、ストレートチップなど定番靴の次に買うデザインとして「モンクストラップ」が良いとすすめる。甲の部分にバックル付きのストラップが付いたデザインで「バリエーションの豊富さと汎用性の高さで、2、3年前からビジネス向けに浸透している」(小黒さん)

 ビジネスで使用を避けた方が無難なのがローファーだ。スーツに合わせるにはやや軽い印象を与えてしまう。もっとも、クールビズなどカジュアルなスタイルが許される場合は、軽快なイメージを出せる。TPOに合わせた履き方が必要になる。

■手入れ、人柄示す

 素材でイメージを変えたい場合に向くのがスエード。「雨に弱いイメージがあるが、起毛素材は水に強く、高温多湿の日本向きの素材」と小黒さん。ベルトやカバンなど小物との統一感を出すと、カジュアルに流れすぎない。

 外出の機会が多く、靴底の減りが気になる人は、ソールにラバー素材を用いたものを選ぶと良い。レザーソールに比べ、耐久性、防水性が高いのが特長。グリップ力が強く、滑りにくいので、ゲリラ豪雨など雨対策にもなる。

「ビジネスシューズは自分で育てるもの」と話す小黒さん(伊勢丹新宿本店メンズ館)

 同じ靴を毎日履くのは、傷みを早める原因になる。足は思っている以上に汗をかく。1日履いた靴は、水分を抜くためにも数日休ませる。仕事用には最低でも2、3足そろえ、ローテーションさせたい。水を吸った革は柔らかくなり、そのまま履き続けると、履きじわや傷みの原因になる。

 ぬれた靴は、新聞紙などを詰めて、革が吸った水分を抜く。その際「靴の側面を下にして置くと、底面が床に接することがないので、乾きがいい」と小黒さん。しっかりと水分を抜いた後は、栄養クリームなどで手入れすることも重要だ。「手入れが行き届いた靴には人柄が出る。手入れ用品もいろいろそろっているので、メンテナンスしながら自分の靴を育ててほしい」と小黒さんは話す。

 靴下選びも工夫のしどころだ。「靴下は、スーツや他の小物に比べて安価なので、手軽にイメージチェンジがしやすいアイテム」と福助広報・IR室の松山友香さんは話す。

 同社が2015年秋から販売する紳士靴下ブランド「福助」は、ビジネス用靴下を13色で展開する。ビジネスの定番になるのは青系だが、青系だけで「ライトブルー」「ブルー」「ライトネイビー」「ネイビー」と4色がそろう。パンツの色に合わせ、裾からのぞかせる色を自分で調節し、手軽に印象を変えることが可能だ。

■靴下は長さ注意

 ビジネスの場で気を付けたいのが靴下の長さ。椅子に座ったり、足を組んだりしたときに、すねなど素足部分が見えてしまうのはマナー違反だ。気になる人におすすめなのが、ひざ下までしっかり隠れるロングホーズというタイプ。安心感が強く福助でも「リピート率が高い」と松山さん。

 女性もビジネスの場では、ストッキングをはくのが基本。腰回りの締め付けが気になる人には、パンティー部分がなく、太ももで留めるタイプがおすすめだ。暑さ対策にもなる。

 失敗しやすいのが色選びだが、サンプルに手を通すとき、腕の内側の色で合わせるのがポイント。福助広報・IR室の大関麻実さんは「思ったよりも濃い色を選んで失敗する人が多いが、脚はあまり日焼けしていない。日焼けしていない部分で合わせると良い」とアドバイスする。着用する服に合わせて、全体のバランスを見ることも重要だ。

(ライター 李 香)

[日本経済新聞夕刊2016年8月29日付]

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