青い海の宇宙港 秋冬篇 川端裕人著
小学生のロケット遊学記
小中学生が1年間田舎を体験する、所謂(いわゆる)山村留学はあるが、本書の主人公・小学校6年生の天羽駆が希望したのは、宇宙港のある多根島の家庭に滞在し、自然豊かな生活を体験しつつ、ロケット発射をも見聞する、宇宙遊学というプログラムだ。
前作「春夏篇(へん)」とあわせ、駆の1年が丁寧に活写されている。
著者は、第1長編『夏のロケット』で、ロケット開発が必ずしも国家的な巨大イベントではなく、庶民に身近で実践可能な日常行事と見なして注目された。
本書は、その着想を引き継ぎ、研究員側から最新の知見や政治・経済的問題点を解説しながら、なんと小学生がロケット発射に関わっていく。これぞ、21世紀的な気概に満ちた遊学、といえようか。
★★★★
(ファンタジー評論家 小谷真理)
[日本経済新聞夕刊2016年8月25日付]
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…
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