夏休みにぜひ! ロボットに出合える場所・ベスト10
夏休み中はイベントも多彩
人と会話したり、踊ったり。多彩な能力を持つロボットが、相次ぎ登場している。実際にそんなロボットに出合えるお薦めのスポットを、専門家に選んでもらった。
日本のロボットは個性豊かだ。かわいらしい大きさでおしゃべり好きなヒト型もいれば、癒やし系のペット型もいる。人間に近い大きさで、ユーモラスに二足歩行して見せるロボットもいる。上位に並んだ施設は、そんな"ロボキャラ"の多様性を実感させてくれる。中でもユニークなのは2位のハウステンボス。ロボットによるショーや実際に乗り込む対戦型など、ロボットがこれから娯楽の世界で活躍していくことを予感させる。
夏休み期間中は実演などのイベントを増やす施設が多いので、出かける前にチェックしておこう。ワークショップなど事前予約が必要なイベントもある。こうした施設以外にも、夏には手作りロボットが勢ぞろいする「メーカーフェア東京」(8月6~7日、東京ビッグサイト)など、関連のイベントがある。「手作りロボットを競う現場に接すると刺激的」(森山和道さん)。機会があれば足を延ばしてみたい。
最先端技術、スタッフが解説
最先端のロボットを数多くそろえ「日本でロボット好きの子どもを育ててきた」(足立寛幸さん)。館内には多くのスタッフがいて、登場したばかりの機種のこともわかりやすく解説してくれる。
▼「アシモ」実演ホンダの二足歩行ロボット、アシモが毎日数回、10分ほど登場する。ボールを蹴ったり、手話をしながら歌ったり。「アシモの実演はここが一番充実している」(望月亮輔さん)
▼そっくりアンドロイド 成人女性そっくりの等身大アンドロイド「オトナロイド」がソファに腰かけ、別室で遠隔操作する実演がある。女の子の「コドモロイド」がアナウンサーを務めてニュースを読み上げるコーナーも人気。7月30日~8月6日は限定で新作アンドロイド「機械人間オルタ」が登場する。
▼ロボ同士おしゃべり「ロボット談話室」コーナーでは小さな会話ロボット3体が「おなか減った」などと話していて、そこに加わって話せる。
(1)火曜(8月は無休)(2)午前10時~午後5時(最終入館4時30分)(3)620円(4)03・3570・9151(5)ゆりかもめ・テレコムセンター駅から徒歩5分
新型を次々導入、まるでロボ見本市
「ロボットの館」が7月16日、園内にオープンした。入り口に体長9メートルの巨大ロボット「パトレイバー」が立ち、記念撮影でにぎわう。医療用など産業ロボットの展示も。ロボット店長などがいる「変なレストラン」やフロントでロボットが宿泊客に話しかける「変なホテル」なども含め「ロボットの王国」と総称している。「実験を兼ねて次々と機種を導入しており、今後が楽しみ」(矢野友規さん)
▼ダンスショー ロボットの館では毎日、女性らしいしぐさやキレのいいダンスを見せるアイドルロボット「プリメイドAI」、腕立て伏せやジャンプが得意なアクロバットロボット「KHR」などがショーを披露する。
▼搭乗して対戦搭乗できる対戦型アトラクション「バトルキング」が人気の「こどもロボット館」がある。
(1)無休(2)午前9時~午後10時(週末など時間延長も)(3)1DAYパスポート6700円、バトルキングは500円(4)0570・064・110(5)JRハウステンボス駅徒歩5分
ロボ工作などの講習が豊富
体長30センチ前後の小型を中心に100種類200体を超える新旧のロボットがそろう。「国内有数の展示数」(望月さん)だ。「全国でも珍しいロボット専門の科学館」(竹下沙弥香さん)、「ロボット工作などの講習やコンテストなどのイベントが多いのも魅力」(竹西素子さん)
▼キティロボお出迎え 入り口で来場者を感知するのは、ハローキティの姿をしたかわいらしいロボット。その奥では会話ロボット「ペッパー」の2体が、胸部のタブレットを子どもたちにくすぐられて体をよじる。イヌ型の「アイボ」をなでることもできる。
▼黒田節を舞う 槍(やり)や杯を持ち、民謡の黒田節に合わせて舞う「黒田節ロボット」が舞台に立つことも。
(1)第2水曜(1、7、8、12月は開館)(2)午前9時30分~午後6時(3)無料(4)092・821・4100(5)JR博多駅バス約30分
ロボ動かすプログラミング体験も
分身ロボット「オリヒメ」はカメラとスピーカーを内蔵した卓上型。離れた家族のそばに置くと、近くにいるように会話ができる。人工知能(AI)を搭載し、個人の好みを学習して喜びそうな情報を提供する「キビロ」も人気。「産業ロボットを面白く紹介したコーナーがある」(大崎章弘さん)。プログラミング体験の教室もある(要予約)。
(1)月曜(2)午前10時~午後6時(土日祝日は5時まで)(3)無料(4)03・5474・6128(5)地下鉄外苑前駅から徒歩4分
癒やし系から警備担当まで
4階のコーナーでは、接客ロボット「アクトロイド」やアザラシの姿をした癒やし系ロボット「パロ」、会話が得意な「パペロ」、警備担当の「ガードロボ アイ」などに出合える。
「詳しい解説があり、大人も楽しめる」(足立さん)。ロボットのデモンストレーション「ロボットと遊ぼう!」も人気。ものづくりや科学技術全般についての展示が充実している。
(1)水曜(8月は無休)(2)午前9時30分~午後4時50分(最終入館4時)(3)720円(4)03・3212・8544(5)地下鉄竹橋駅から徒歩8分
福島第1原子力発電所に投入され、優れた登坂能力などを生かして調査に活躍するレスキューロボットの最新機「桜シリーズ」などが見られる。災害対応ロボットの操縦訓練ソフトを体験するコーナーもある。「研究段階のものを含め、最先端の迫力に触れられる」(本田隆行さん)。SFアニメ「マクロスF」の巨大ロボットも見応えがある。(1)不定休(2)午前10時30分~午後6時(3)無料(4)03・6658・5888(5)押上駅から徒歩5分
安川電機が2015年、本社内に開いた。自社製の産業用ロボットを展示。ソフトクリームを自動でつくる人気者「やすかわくん」やロボットとゲーム対戦できるアトラクションなどがある。「現在の日本の産業用ロボット技術を体感できる」(熊倉幸子さん)。予約制。小学5年生以上、10人以上の団体のみ受け入れる。(1)土日祝日(2)午前9時30分~11時10分、午後1時10分~2時50分、午後3時~4時40分(3)無料(4)093・645・7705(5)JR黒崎駅から徒歩3分
サーキット施設「ツインリンクもてぎ」にある。レース車などのほかに、ホンダの歴代二足歩行ロボットを展示。アシモの実演もある。「未来の乗り物UNI-CUBに乗れる」(富田一央さん)。(1)不定休(2)午前9時30分~午後5時、日によって変わる(3)無料(ツインリンクもてぎ入場に1000円)(4)0285・64・0001(5)北関東自動車道・真岡インターチェンジから約30キロ
鍵盤を弾く「ワスボット」などを展示。9月4日まで「ロボットと人工知能」展も開催。「近くのサイエンス・スクエアつくばもお薦め」(市川誠さん)。(1)月曜(2)午前9時50分~午後5時(最終入館4時30分)(3)410円(4)029・858・1100(5)つくば駅から徒歩5分
自律走行型ロボット「ブルー夢(む)」がフロアを自由に動き回り、案内役を務める。特技は写真撮影で、ゲーム機にもなる。(1)月曜(2)午前9時30分~午後6時(9月以降は5時まで、最終入場は閉館30分前)(3)500円(4)053・454・0178(5)JR浜松駅から徒歩7分
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表の見方 数字は選者の評価を点数化。施設名、所在地。(1)主な休館日(2)開館時間(3)大人1人の入館料(4)問い合わせ先電話番号(5)アクセス
調査の方法 取材を基に25施設の候補リストを作成。本物のロボットの迫力を体感できる、解説が充実しているなどの観点から選んでもらった。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。
足立寛幸(ロボット科学教育常務)▽市川誠(エンジニア・ビジョン・リサーチ・インスティテュート・インク代表)▽大崎章弘(お茶の水女子大学特任講師)▽熊倉幸子(ヒューマンアカデミーロボット教室チーフマネジャー)▽竹下沙弥香(子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」編集部)▽富田一央(栄光ロボットアカデミー)▽本田隆行(科学コミュニケーター)▽望月亮輔(「ロボスタ」編集長)▽森山和道(サイエンスライター)▽矢野友規・竹西素子(オーム社「ロボコンマガジン」編集)
[日経プラスワン2016年7月30日付]
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