アメリカン・ブラッド ベン・サンダース著
次々と迫る危険と疾走感
気づいた時には、トラブルの渦中。そこを脱(ぬ)ければ、倍のトラブル。行動の意味は、後になって知らされる。アメリカ人の血が騒ぐ……。
元潜入捜査官と麻薬課の女刑事、麻薬組織のボスに正体不明の殺し屋。おなじみの道具立てでも「血の騒ぐ」キャラクター揃(そろ)い。
かつての潜入捜査官は、麻薬組織のボスを牢獄(ろうごく)に送った後、証人保護プログラムに護(まも)られ隠棲(いんせい)していた。だが、平穏を破るのは、彼自身の「血」だ。
過去の傷がボロボロと引き裂ける。血の臭いを嗅ぎつけた仇敵(きゅうてき)たちが追いせまってくる。危険な連中を呼びよせたのは、彼の本能か。
この疾走感がじつに快い。
★★★★
(評論家 野崎六助)
[日本経済新聞夕刊2016年7月14日付]
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…
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