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日本の歩き方

「濱明朝」を知ってますか? 横浜らしさをデザイン

2016/7/5 日本経済新聞 朝刊

 横浜をイメージしたデザインが相次ぎ登場している。近代的なビル群に、日の光に照らされた波のきらめき、恋人たちが寄り添う恋の街――。様々な表情を書体やアクセサリーなどで描く。横浜らしさをどう形にするのか探った。

 ポスターなど市内で少しずつ見かける機会が増えてきたのが横浜をイメージした書体「濱明朝」だ。街の魅力を表現した「都市フォント(書体)」は海外では広まっているが日本では珍しい。手掛けるのは書体デザイナー、両見英世氏(34)。「建築家やデザイナーなど様々な人がにぎわいを作り出そうとする横浜のクリエーティブな雰囲気」に魅力を感じ、2009年から構想を練り始めた。街を歩き市民と交流しながらデザインしている。

 特徴は一般的な明朝体の約半分という細い横の線と、どっしりと太い縦の線のコントラストだ。もととなったのはみなとみらいや貨客船「氷川丸」。縦のラインは横浜ランドマークタワーなど象徴的なビル群だ。横画はよく見ると左端が若干高く横から見た船のよう。「海だけでなく丘側の住宅街も忘れないで」との声を受け書体で日常も表現。1文字につき太さなどを微妙に変えて24種類を用意した。雑誌など日常使いに最適、大型ポスター向けなどと使い分けられるようにした。

アニヴェルセルみなとみらい横浜限定のタキシードは船長をイメージ。同式場で1番人気だという

 実は濱明朝はまだ完成していない。完成には約9500字必要で、出来上がったのは約4000字。来年6月にそろう予定だ。「看板やフリーペーパーなどに採用され横浜の一部になれば」と思い描く。

 デザインに採り入れたくなる横浜の魅力。みなとみらいは横浜市が「横浜で一番好きなもの」を市民に尋ねた2014年の調査で1位(20.2%)になるなど人気が高い。ヤマト運輸が横浜限定で用意する包装資材や、仏高級グラス「バカラ」の横浜限定グラスなどにもあしらわれている。

 結婚式場大手のアニヴェルセルはみなとみらい横浜限定の婚約・結婚指輪や新郎のタキシードなどを用意する。指輪は高層ビルから見た海をイメージ。太陽の光が波に反射してキラキラしているさまを表現した。限定デザインがあるのは同社の14カ所の式場のうち、みなとみらいと表参道(東京・港)のみ。「みなとみらいは初デートやプロポーズの場所だったりと特別な思い出があるカップルが多い」(同社)ため、人気があるという。

■「横浜で一番好きなもの」市民と全国で差

サカタのタネは「恋の街」をイメージし、新種のチューリップを「ラバーズタウン」と命名

 横浜を「恋の街」と表現するのはサカタのタネだ。今春、横浜限定のチューリップが登場。白からピンクに変わる新種で「頬を染め合う恋人たちのようで横浜にふさわしい」と「ラバーズタウン」と名付けた。

 横浜市民とそうでない人では「横浜で一番好きなもの」が異なる。市民はみなとみらい、港、景色・街並みと続くが、回答者を全国に広げると中華街が1位で山下公園や赤レンガ倉庫など観光地が上位を占める。

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