エンタメ!

ブック、おススメの1冊

ファミリー・レス 奥田亜希子著 本当の親子になりたい母

2016/6/30付 日本経済新聞 夕刊

(KADOKAWA・1600円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)

 姉夫婦が交通事故で亡くなって、忘れ形見の柚香(ゆずか)を引き取ったのは彼女が10歳のときだった。子供のいない梗(きょう)子と健一は本当の娘のように柚香を育てた。それから12年、就職と同時に柚香は一人暮らしを始めると言う。就職先には家から通えるのに、「親でもない人に、社会人になってまで面倒見てもらえないよ」。柚香は悪びれた様子もなくそう言った。それから半年、梗子は毎日泣いている。

 柚香の本当の母親になりたかった。いまでも梗子はそういう思いでいる。しかしたとえ本当の子供でも、いずれは自立して家を出ていく。それが子の成長というものだ。はたして梗子が泣き止(や)む日は来るのか。どんどんどんどんページをめくっていく。

★★★★

(文芸評論家 北上次郎)

[日本経済新聞夕刊2016年6月30日付]

★★★★★ 傑作
★★★★☆ 読むべし
★★★☆☆ 読み応えあり
★★☆☆☆ 価格の価値あり
★☆☆☆☆ 話題作だが…

ファミリー・レス

著者 : 奥田 亜希子
出版 : KADOKAWA/角川書店
価格 : 1,728円 (税込み)

エンタメ!新着記事