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禁煙治療は若いうちから 34歳以下にも保険適用

スマホ助言、成功を後押し

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NIKKEI STYLE

4月から34歳以下でも禁煙治療を受けやすくなった。公的保険が適用され、治療費の自己負担がこれまでの10割から3割になったためだ。ただ制度の周知が進まず若者の利用はいまひとつ。禁煙はたばこの吸い始め年齢が早いほど難しいとされる。大学病院がスマートフォン(スマホ)用アプリの実用化を目指すなど、医療現場は「若者の禁煙」を模索している。

「1日1本ずつでも減らしていきましょう」。要町病院(東京・豊島)の吉沢孝之院長は20代、30代のヘビースモーカーにこう提案する。禁煙外来に来るこうした患者は月5人程度だ。

喫煙率は男女とも30代が最も高く、20代も全体平均を上回る。仲間内の飲み会など喫煙の誘惑も多い世代だ。同病院では風邪で訪れた若者にも吸っていないか確認する。吉沢院長は「いきなり害を訴えるのではなく、禁煙の意志があれば支援するのが大事」と話す。

継続率35%どまり

禁煙治療ではニコチンを皮膚から吸収する貼り薬「ニコチンパッチ」や飲み薬で禁断症状を抑え、禁煙を目指す。保険適用となったのは2006年度だ。

対象は「1日に吸う本数×年数」で示すブリンクマン指数が200を超す人。ただ20代は喫煙年数が短く、アンケートによるとこの基準では禁断症状が出るなどして医師に「ニコチン依存症」と診断されても約8割が対象外になっていた。

そこで厚生労働省は16年度の診療報酬改定で見直しを実施。34歳以下は基準を満たさなくても、依存症と診断されれば保険適用にした。例えば禁煙補助剤「チャンピックス」を12週間服用した場合、窓口での負担は約1万900円になる。全額自己負担に比べ、4万円以上安くなる計算だ。

もっとも周知は道半ばのようだ。日本禁煙学会の作田学理事長は「制度はまだ知られておらず、利用は増えていない。もっとPRする必要がある」と話す。

禁煙治療は必ず成功するわけではない。同学会によると、治療を始めてから1年後の禁煙継続率は35%にとどまる。愛知県に住む男性会社員(32)は禁煙外来に通って数カ月は禁煙したが、「お酒を飲んだ時に1回吸ったのを機に再開してしまった」と肩を落とす。

たばこがやめにくいのは、身体的と心理的の2つの依存があるためだ。ニコチンの禁断症状という身体的依存は薬で抑えることができる。一方、「仕事が一段落したら一服」「吸わないと手持ち無沙汰」など習慣にまつわる心理的依存から抜け出すには時間がかかるとされる。

心理的依存減らす

こうした習慣を改めるため、身近なスマホを使って手助けしようとする動きも出てきた。

「まず顔を洗って水を一杯飲みましょう」。朝一番でスマホの表示を見て、起き抜けの一服をやめた――。健康アプリ開発のキュア・アップ(東京・中央、佐竹晃太社長)と慶応大学医学部はそんな禁煙支援アプリを共同開発した。現在、慶応大病院(東京・新宿)やさいたま市立病院など10病院で臨床研究中。まだ一般の人は使えないが、全国の医師が患者に活用を勧める医療用アプリとして数年内に実用化する計画だ。

禁煙外来に通う患者がアプリ上で喫煙歴のほか、日々の体調や吸いたくなった時間帯、禁煙が続いているかどうかなどを入力。アプリはこうしたデータを基に起床時や食後など「吸ってしまいそうな時」に文字で注意を促す。健康被害をまとめた動画の閲覧も促す。患者のデータは担当医に送信され、診察時の細かい指導にも役立てられる。

心理的依存の解消には医師のカウンセリングが重要だ。だが仕事などの合間に通う診療所は、専門医の配置数や診察時間が十分でない場合がある。開発に携わる舘野博喜医師は「若者の多くは24時間スマホを身につけており、常に専門医の助言が表示されれば禁煙成功率は上がるはず」と話す。

◇     ◇

喫煙率は横ばい

喫煙による社会的損失は大きい。医療経済研究機構(東京・港)は肺がんなどに罹患(りかん)して医療費が膨らみ、働けなくなる人も増えるなどして年間約4兆円が失われていると推計する。

厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、2014年の喫煙率は19.6%。たばこ税が大幅に引き上げられた10年以降、ほぼ横ばいだ。男性の喫煙率は32.2%で、女性は8.5%。男性は30代、40代がともに4割を超す。

喫煙歴が長いとがんだけでなく、脳卒中や心筋梗塞、肺気腫など様々な疾患リスクが高まる。喫煙者は吸わない人に比べ、平均余命が10年ほど短くなるとされる。「やめたい」と考える人は喫煙者の約3割。こうした人の治療支援とともに、そう考える人を増やす啓発が必要といえそうだ。

(奥田宏二、鈴木卓郎)

[日本経済新聞朝刊2016年6月12日付]

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