仕事帰り、一人の夜は… 飲み仲間をアプリで探す
ライブや焼き肉も
「仕事が終わったから飲みたい気分だが、なにか1人では味気ない」「すでに飲んでいるが、もっと人を集めたい」。そんなときに役立つアプリが、Vikona(東京・渋谷)の手がける「JOIN US(ジョイナス)」だ。
ログインすると、半径20キロメートル以内にいて、同じアプリで飲み仲間を探すユーザーを表示。その中から自分のいる場所や年齢、性別、過去の利用履歴などによって、男女5人ずつが自動的にマッチングされる仕組みだ。「いっしょに飲みたい」と思った人がいるときには、個別にチャットをしながら場所や時間を決める。
リアルタイムで
「1人でふらりと立ち寄った飲食店で、他のお客と仲良くなることがある。そんな一体感を味わってほしい」(Vikonaの内田洋輔社長)というコンセプトから、15年6月にサービスをスタートした。特徴の一つはリアルタイムで相手を探せることだ。ユーザーの堀田亜利紗さん(23)は「『この近くで1時間だけ飲むことができる』など、自分に合った条件で探せるため、便利だ」と話す。
いきなり知らない人と会うのは不安だという人もいる。このため、JOIN USではソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フェイスブック」の情報から、顔写真の有無や勤務先、過去に投稿したタイムラインなど独自の基準に基づいて登録者を限定している。同社によると「通過率は登録希望者の30%ほど」だという。ユーザーの和田学さん(31)は「社会に出ると同年代、特に同性の友達をつくる機会は実はそれほど多くない。しかし、このアプリを使うと、それができるのが強みだ」と語る。
音楽のライブやフェスに行く仲間を集めるのに役立つアプリが「ライブマッチ」だ。ライブに同行を予定していた友人が急に行けなくなった経験を持つ人は少なくないはず。そんなときには、このアプリで一緒に行く仲間を見つければ、会場でともに楽しく過ごすことができるかもしれない。
ライブマッチは米アップルの基本ソフト「iOS」向け。アプリを起動するとiPhone(アイフォーン)に保存している音楽の中から、よく聴くアーティストをリスト化。それぞれ今後のライブ開催予定を一覧できるため、自分の参加するライブやフェスについて同行者を募集しやすい。ユーザー同士でチャットできる機能もある。昨年8月にサービスを開始して以来、ダウンロード数はこれまで2万となった。
運営会社であるLifull LiveMatch(東京・港)の対馬政隆社長は「ユーザーはチケットが余ったため、一緒に参加できる人を探す募集が多い。これからも、ライブ仲間を見つける場でありたい」と話す。希望者にチケットを譲る場合には、定価以下にすることを義務付けているという。
「肉会」9万8000回
Diraph(東京・千代田)が手掛けるアプリ「肉会」は、焼肉店で炭を囲む仲間を集めるアプリだ。
参加を希望する人はフェイスブックの友人のうち肉会に登録している人とまずペアを組む。そのうえで、アプリを通じて年齢や都道府県、性別などの条件から別のペアにオファー。受け入れられた場合、日程調整などを経て、4人一組肉会を開く。累計登録人数は約10万人、これまで9万8000回の肉会が成立したという。
ますます多様化しているマッチングアプリ。仕事帰りのひとときや休日などをいっそう充実させるために、役立ててはどうだろうか。
(メディア戦略部 夏目祐介)
[日本経済新聞夕刊2016年6月2日付]
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