ヘルスUP

病気・医療

血圧、治療目標値を緩和 治療効果を上げる狙い 健康の基準が変わる?~下~

2014/5/10 日本経済新聞 夕刊

 日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が調査結果を公表した「新たな健診の基本検査の基準範囲」とは別に、専門学会が治療のための基準を緩和したのが血圧だ。日本高血圧学会は4月に「高血圧治療ガイドライン」を改定、高血圧患者が治療で血圧を下げる目標値をこれまでより高くした。治療のための基準を明確にし、治療効果を上げていこうという狙いだ。

 高血圧は脳卒中や心臓病などのリスク要因で、国内患者は約4300万人と人口の3分の1を占める。人間ドックなどでの早期発見や指導は病気の予防や医療費抑制に効果が期待できる。

■わかりやすく整理

 高血圧学会が発表した治療のための新ガイドラインでは、若年・中高年患者の治療目標が「収縮期(上の血圧)が140未満、拡張期(下の血圧)が90未満」に変更された。これまでは上が130未満、下が85未満だった。高血圧の治療を始めたら130を切るまで血圧を下げないと治療目標達成といえなかったのが、今後は140を切れば達成ということになる。

 この治療目標の変更について「健康の基準を緩和したというより、わかりやすく整理したと思ってほしい」とガイドラインの作成委員長を務めた島本和明札幌医科大学学長は説明する。

 それというのも新たな治療目標は、以前から治療で薬を飲み始める診断基準だった。また上が130~140未満、下が85~90未満に収まる数値は、同学会のガイドラインでも高めだが正常血圧の範囲になる。生活指導などでもっと血圧を下げるのが望ましいが、投薬治療の対象ではなかった。

 糖尿病にかかっている高血圧患者など他の分類で治療開始の基準値と治療目標の数値が違っているものはなく、治療開始と目標の値を一致させようというのが今回の改定の狙いだった。

ヘルスUP新着記事