部屋左奥、センス良く ホームパーティー成功の秘訣
片付け、日程決めて
「大切なのは、客にリラックスして楽しんでもらうこと。完璧に整えられた空間はむしろ緊張感を生むので、ほどほどに整えることが大切」と話すのはホーム・オーガナイザーの吉島智美さん。吉島さんは自宅でパーティーを開く機会が多いと言う。空間作りで押さえたいポイントを聞いた。
まず、余裕を持って迎えるためにも表のように当日までのタイムスケジュールを作ろう。片付けを含む「準備」と「掃除」の2項目に分ける。次に「当日」「前日」「1週間から3日前」の時間軸に区切る。
1週間から3日前にしたいのは「客に見られたくない物をしまう"隠し"スペース作り」と吉島さん。例えば玄関の家族の靴。当日は客の靴でいっぱいになるのでしまいたい。靴箱に空間がない時は履かない靴を処分し、それでも入らない時は別の収納庫にスペースを作って、当日しまう。
家族がソファに置く帽子などの小物や、普段は食卓に置く郵便物などを当日どこにしまうか想定する。収納棚に入らない時は、床に置いてもなじむデザイン性の高い箱やカゴをうまく活用する。
前日に隠す物を箇条書きにした「隠す物リスト」を書く。パーティー直前にリストを見ながら事前に作っておいたスペースに物をしまえば、片付け忘れの心配もない。「隠す物がないのが理想だが、散らかっている家でも慌てることはない」と吉島さんは助言する。
料理の下ごしらえなどは前日に済ませ、当日は掃除に集中する。住宅アドバイザーの藤原千秋さんは「玄関は住居の第一印象を決めるので大切」と話す。意外に他人が気になるのがその家の生活臭。玄関にはアロマなどで香りを入れよう。逆に食事をする場所は料理の邪魔になるので香りはたかず、直前に空気を入れ替える。
「衛生的であるべき場所が汚れているとそれだけで印象が悪くなる」と藤原さん。トイレや洗面所は家族も利用するので、パーティー開始直前に掃除。「目に入る鏡は簡単に磨きたい。清潔なタオルを用意し、髪の毛やホコリがないことが大切」と藤原さんは言う。
台所のシンクも忘れずに。客が後片付けを手伝う時に見られる可能性が高い。冷蔵庫の中も見られがち。事前に整理し、当日の土産などを入れるスペースを作っておくと、慌てずに済む。
客の目線の動きに注目
印象の良い空間作りで知っておきたいのは客の目線の動き。スタジオハーガ(東京都三鷹市)の整理収納アドバイザー、畑農靖子さんは「人の目線はアルファベットのZを書くときの動きで空間を認知する」と話す。客が部屋に入った時、まず目に留まるのが左側の奥のスペース。そこにセンスの良い家具や観葉植物などを置くと、部屋の第一印象が良くなる。
さらに畑農さんは「文字は目に留まりやすい。本棚やカレンダー、貼り付けたメモ類は1カ所にまとめると視線が分散せず、すっきりした印象になる」と助言する。冷蔵庫の外側に貼ったメモは所帯じみた印象になるので直前に取り外そう。
余裕がある場合は、季節を感じさせるインテリアを飾ると話題のきっかけになり、盛り上がる。
子どもが来る時は注意。触れられたくないものや、壊れたら困る高価なものは事前にしまう。高級な家具にカバーをし、飲み物をこぼされたら困るラグは敷かない。「失敗があった時に、お互い気まずくならないようにする気配りが大切」と藤原さんは話す。
(坂下曜子)
[日経プラスワン2014年3月29日付]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。