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「加齢で体硬くなる」はウソ 柔軟体操2週間の成果

2014/3/21 日本経済新聞 プラスワン

 シンプルなヨガだが、試してみると効果は大きかった。特に体をねじるポーズを続けていくと、以前より楽に深く体を後ろに向けることができるようになった。その上、首や肩も軽くなった。中村さんは「短期でもやれば効果はありますが、単に柔軟性を高めることだけを狙ってやるより、体を見つめ直すきっかけにする方がいいですよ」という。

 例えば、同じポーズをとった時に左右で体の柔らかさが違うなら、普段の姿勢に偏りがある証拠だ。記者自身は左右差はそれほど感じなかったが、ポーズをとりながら日ごろの姿勢を考えるクセをつけると、その後は少しだが、背筋が伸びて、歩幅も広めにとれるようになってきた気がした。

■筋力低下で 体が硬くなる

 ストレッチを約2週間、ヨガを約1週間続けた後、前屈と体のねじりで効果をテストすると、多少ではあるが、柔軟性は高まっていた。ただ、今度はせっかく戻り始めたこの柔らかさが持続するのか不安になった。今後、年齢を重ねると、やはり硬くなっていくのは避けられないのだろうか。

 そんな疑問を実践女子大学の山田茂教授に質問すると「体が硬くなるのは可動域を広げるための筋力が低下しているということ。高齢になっても適切な運動で筋肉を保てば柔軟性は失われない」といわれた。

 体の曲げ・伸ばしをする際は必ずどこかの筋肉が力を出している。体が硬くなる主因も結局は運動不足による筋肉の衰えだという。ちなみにその筋肉の保ち方だが、実は「ストレッチでも筋肉は増える」(山田さん)。しかも重い物を持ち上げるような筋トレより効果も早く出るのだという。

 ただ、短期に成果が出やすいからと調子に乗って無理をすると、体を痛めるリスクがある。山田さんは「本来、筋力の高低などで個人ごとに適したストレッチは違う。専門家に指導してもらうのが理想的だが、そこまでできない場合は『痛くない範囲で少しずつ段階的に』を心がけて」と注意を促した。

記者のつぶやき
 今回感じたのは、体の柔軟性に関する考え方に意外と誤解が多いことだ。「年をとれば多少、体が硬くなるのは仕方ない」と思い込んでいたこともあるが、結局これを言い訳に日々硬くなっていく体を放置していたのだと気がついた。
 考えを改めて真面目に取り組めば、たった2週間でも成果があった。もしかすると体を硬くする真の原因は、固定観念で凝り固まった「心の硬さ」なのかもしれない。心身のしなやかさはセットなのだと痛感させられた半月だった。
(堀大介)

[日経プラスワン2014年3月15日付]

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