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「加齢で体硬くなる」はウソ 柔軟体操2週間の成果

2014/3/21 日本経済新聞 プラスワン

 春めいた陽気に誘われて、体を動かしたくなる季節になってきた。だが、きちんと準備もしないで負荷をかけるのはけがの元だ。まずは体作りと考えた記者(38)が目をつけたのは柔軟体操。体がしなやかになれば、日常生活にもメリットがあるはず。約2週間でどこまで柔らかくできるか試した。

 まず挑戦することにしたのは上半身を曲げる前屈。柔らかさの指標としてよく使われるし、やり方も簡単にみえた。だが、自宅で手ごろな台の上に乗って体を曲げてみると一瞬、足の先に手の指をつけるので精いっぱい。床に座り直し、背中を伸ばすことを意識して再挑戦してみたが、やはり思うように曲がらない。

■ストレッチ 誰でも即効果

 もともと柔軟体操が得意だったわけではないが、10~20代の時はこれほど硬くなかった。中年でここまで硬くなると元に戻らないのではないか。にわかに不安になった記者は専門家に相談した。「やってはいけないストレッチ」の著者で、横浜リゾート&スポーツ専門学校(横浜市)で講師をしている坂詰真二さんは「適切なストレッチをすれば体は柔らかくなりますし、誰でもすぐ効果は出ます」と話してくれた。

 コツは「起床直後などの時間を避けることと、伸ばす筋肉を意識しないこと」という。朝のストレッチは体の目覚めを促すが、柔軟性を高める目的には向かない。寝起きの冷えた体は伸ばしにくいから。また、伸ばす筋肉を意識すると、そこに力が入って逆効果になりかねない。

 坂詰さんが勧めるのは「普段の生活で縮こまった筋肉を伸ばすストレッチ」。代表例は、両手を後ろで組んでから肩を後ろに引いて胸・肩・腕の筋肉を伸ばすのと、壁に手を置いて足を前後に開き、後ろの足のふくらはぎを伸ばすもの。両方とも、現代人には付き物の「前かがみで座る姿勢」と逆方向へ体を引っ張る動きで、疲労を和らげる効果も期待できるという。

 この日からは毎夜、入浴後の体が温まった時を選んで、伸ばす部分は意識しないようにして、前屈とこの2つのストレッチを試した。すると確かに以前よりも体が曲がったり、伸びたりする感覚がある。深く呼吸しながら続けると、前屈では手の指が届く距離が伸びた。胸やふくらはぎのストレッチも回を重ねるほど楽にできるようになった。

 約1週間続けて、少し自信がついたタイミングで新たな柔軟体操としてヨガも取り入れてみた。イスに座ったまま体をねじって背中周りの筋肉を伸ばすポーズと、両足を前後に開いて後の足の股関節周辺の筋肉を伸ばすポーズ。教えてくれた理学療法士でヨガスタジオ、タクトエイト(東京都八王子市)代表の中村尚人さんは「人間は脊椎動物ですから、背骨周りの柔らかさは大切です。股関節周辺の柔軟性は歩幅の広さにも影響します」と説明する。

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