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暮らしの知恵

無水調理、100円ショップ鍋で挑戦 レシピ改良も

2014/2/21 日本経済新聞 プラスワン

 記者(40)はここ数年、水やだしをほとんど加えない「無水調理」が気になっていた。無水の肉じゃがは我が家の定番にしたが、レシピ付きの専用鍋は高価でおいそれとは手が出ず、レパートリーが増やせない。そこで簡素な鍋で無水調理を試し、応用策を探ることにした。

■水分・だし加えず素材のうまみ凝縮

 無水調理は鍋を密閉し、蒸し調理をするイメージだ。食品に含まれる水分のほか、しょうゆなど調味料の水分や野菜についた少量の水を蒸気に変えて材料を蒸すため、素材のうまみやビタミンを逃がしにくい。

 使ったのは100円ショップで買った1人用の土鍋と、直径18センチ、厚さ0.5ミリのアルミ鍋。アルミ鍋用に16、18センチ兼用の鍋蓋も購入した。全て105円だ。

 まずは現行の高校家庭科の教科書を参考に、煮物を作る。材料・分量は教科書通りで、水分を加えない。肉じゃがや筑前煮、ロールキャベツを2人分ずつ、土鍋とアルミ鍋で作った。

 教科書を見ると、肉じゃがは、だしに調味料を加え、肉や野菜を煮込むとある。ただ今回はだしを使わないため調理法を変え、中火でサラダ油を熱して野菜をいためた後に、肉を乗せて調味料を入れ加熱した。

 蓋の通気口や鍋と蓋の隙間から白い蒸気が出ると、蒸し始めの合図だ。弱火にして15分間加熱。「大丈夫かな」と不安で目が離せない。時間になり蓋を開けて驚いた。水分が出ている。

 煮汁が行き渡るように底から混ぜ、蓋をしてさらに10分加熱。軽くて薄い鍋でも無水調理で濃厚な味の肉じゃがが出来上がった。

 筑前煮やロールキャベツも試した。筑前煮もだしは入れない。加熱時間は勘で決め、混ぜるために蓋は一度だけ開けた。ロールキャベツも水は加えず、コンソメをすり下ろし、粉末にして振り入れた。

 筑前煮は煮崩れがなくきれいにできた。濃い味が好きな夫も「いいね」と満足そうだ。調味料の分量は教科書通り。それでも肉じゃがも筑前煮も少し味が濃いと思うほど、無水調理は味が濃厚になる。

 なぜだろう。料理研究家の村上祥子さんは「食品、特に野菜は90%以上、水を含むものもある。加熱したり調味料を加えたりすると水が出る。うまみを含んだその水が煮汁になり、再び食品に吸収されるから風味が濃くなる」と説明する。

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