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足の冷え・むくみ・かゆみ… 血管障害の恐れも 重症になると命にかかわる

2013/11/9 日本経済新聞 夕刊

 11月に入って冬の寒さが近づいてくると、足先の冷えやむくみ、かゆみを訴える人がいる。加齢や体質が原因と思いきや、足の動脈や静脈で異常が見つかる場合がある。重症になると歩けなくなるだけでなく、命にもかかわるので注意が必要だ。

 東京都の70代の男性Aさんは最近、歩くたびに足に痛みが走り、近くの公民館に行くのにも一苦労。最近は足が細くなり、爪や毛が伸びなくなってきた。「もうこの年だから」と放置していたが、心配した家族の紹介で病院に行くと「閉塞性動脈硬化症」と診断された。

■当初、自覚症状無し

静脈がうっ血した部分がボコボコになって浮き出てくる(下肢静脈瘤)

 閉塞性動脈硬化症は手や足の血管に動脈硬化が起こり、血管の幅が狭くなったり、塞がれたりして血流が不足する病気だ。主に足が多い。初めのうちはほとんど自覚症状が無いが、進行すると少し歩いただけで痛み出す。休むとまた歩けるようになる。

 山王メディカルセンターの重松宏血管病センター長は「日本では100万人程度の患者がいるが、症状が出ない潜在患者は300万~400万人いるとされる」と話す。歩けなくなる症状がさらに重くなると「足の傷が治りにくくなって壊死(えし)し、最悪の場合は切断を余儀なくされる」と注意を促す。

 動脈硬化を引き起こす原因は、加齢や喫煙、高血圧のほか、糖尿病も原因の一つ。早いうちに病院に行けば、末梢(まっしょう)動脈の血管を詰まらせる血の塊を溶かす薬剤もあるので、深刻な事態を防げる。運動や食生活を見直せば予防できる。

 ただ、問題は足の症状だけではない。帝京大学臨床研究センター長で、寺本内科・歯科クリニックの寺本民生内科院長は「足の動脈硬化は体のどこかで動脈硬化が起こっている可能性を表すサイン。将来、脳梗塞や心筋梗塞の可能性がある」と強調する。

 そのため「60歳以上を過ぎた時点で足の動脈硬化の状態を測る血圧測定の検査(ABI検査)などを受けた方がよい」とアドバイスする。

 足の冷えやむくみを起こす症状は動脈に限らない。足の静脈の血管が逆流しても、冷えやしびれ、むくみの症状が現れる。下肢静脈瘤という血管疾患だ。

 下肢静脈瘤は全身にまわった血液が心臓に戻る静脈に異常が起きる症状。血液が逆流するのを防ぐ「弁」が壊れ、血液が血管内にうっ血する。総合東京病院(東京・中野)血管外科の佐久田斉部長は「放置しておくと、むくみがひどくなり足の血管が浮き出てボコボコになる。黒っぽく色がついて、皮膚が硬くなり、やがて歩くのが困難になる」と説明する。

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