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C型肝炎治療、新薬で期間半減 ウイルスを撃退 肝臓がんを予防

2013/10/26 日本経済新聞 夕刊

 C型肝炎の新しい治療薬が9月、厚生労働省に承認された。効き目が良くて副作用が少ないのが特徴という。肝臓がんの8割は、ウイルスがもたらす「C型肝炎」がもとで発症する。従来の治療ではウイルスを除く薬を長期にわたって使い、頭痛や体のだるさといった副作用が大きな悩みだった。仕事や家事に支障が出る人がいた。患者の負担を少しでも軽くできると、専門医は期待している。

 この新薬は米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)グループのヤンセンファーマ(東京・千代田)の「ソブリアード」(一般名シメプレビルナトリウム)。C型肝炎ウイルス(HCV)の増殖を防ぐ。

 肝臓が専門の独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院の林紀夫病院長は「現行の薬より効果も高く副作用も少ない。治療に使いやすい」と話す。来月にも変わるC型肝炎の治療ガイドラインにも、標準治療として掲載される見込みという。

 C型肝炎ウイルスは、血液を通じて感染する。医療機関などでの感染対策が進んだ今は、カミソリや歯ブラシの共用などが感染原因になると指摘されている。約半数は感染源が分からない。HCVに感染すると急性肝炎を発症するが、自覚症状がほとんどない。その後3割の人は自然に肝臓からウイルスがいなくなって治る。残る7割は、知らない間に慢性肝炎になり、放置すると肝硬変に陥る。

 肝硬変が恐ろしいのは、治療しなければ4割が肝臓がんになってしまうところだ。逆に肝臓がん患者を調べると、その8割がHCVに感染している。慢性的な炎症が起こると細胞分裂が盛んになり、がん細胞が生まれやすくなる。

■再発・高齢者も効果

 新しい治療では、3つの薬を併用する。まず「ペグ・インターフェロン」という免疫細胞を元気にする薬を週1回、注射する。さらに「リバビリン」というウイルスの働きを抑える薬を毎日2回服用。それに加えて新開発のシメプレビルナトリウムを毎日1回飲む。新薬を使った場合の治療期間は半年だ。従来は1年間だったが、半分に短縮しても効果は高いという。

 3つの薬のうち、インターフェロンは副作用が深刻だ。風邪のように頭痛や発熱、体のだるさの症状が表れたり、肺炎を起こしたりする。つらい副作用が長く続き、仕事を辞めざるを得ない人もいたという。新薬によって治療期間が半分になれば、これから治療を受ける人にとってこれまでより楽になる。

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