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かけっこ、はだしで速く 特訓18日で記者も成果

2013/10/18 日本経済新聞 プラスワン

 秋、幼稚園に通う息子の運動会が近づいて、記者(38)はふと「中年でも練習したら走るのは速くなるのか」と考えた。昔から短距離走は苦手で、息子に走り方を聞かれて困っていた。体育の日を前に、思い切って大人向けの「かけっこ」修業を始めてみた。

 最初に怖かったのは、けが。陸上競技経験はなく、何十メートルの全力疾走は約20年もしていない。体に負担が少なく、しかも短期間に速くなれる練習はないかと考えて情報を調べていると、意外な話を目にした。

 「はだしになることでけがなく、速く走れる方法がある」というのだ。早速、はだしランニングの普及活動をする日本ベアフット・ランニング協会(東京都渋谷区)に話を聞きに行った。

 代表理事の吉野剛さんは「はだしランニングは陸上未経験者でもけがを予防しつつ練習できます」と話す。現代人はクッション性の高い靴に慣れて「体本来の機能が衰えている」(吉野さん)。はだしになることで、走るときの衝撃吸収機能などを体が取り戻し、けがを防げる場合があるという。

 個人差はあるが、高機能の靴を履いたときの走り方が身に付いた陸上競技経験者よりも、初心者の方がその感覚はつかみやすいそうだ。興味を引かれた記者は、はだし走行を試してみることにした。

 はだし走行には小石などが大敵。整備された競技場か公園を選び、自分で石やごみが落ちていないかも調べる。幸い、近所で練習場が見つかったが、そうでない場合は、最近増えているはだし感覚に近いスポーツ靴を使うのも手だ。

 練習初日、一般開放している都内の陸上競技場で吉野さんと落ち合い、まずはタイムを計測した。はだしで50メートルの距離を走り、記録は8秒57。少し足の速い小学生には負けてしまいそうなタイム。足の筋肉は早くも張った。これが少しでも改善するのか。

■軽い着地意識 筋肉痛に悩む

 吉野さんは最初の課題として、足を地面につける感覚を変える必要があると指摘した。かかとではなく、足の指の付け根あたりで着地。股関節や膝、足首はリラックスさせ、バタバタと音がしない軽い着地を心がける。この感覚を養うには、はだしで階段などから1段下に飛び降りる練習が簡単だ。バタンと音が鳴らないように着地する。

 さて練習と張り切ったが、2~3日目は太ももなどの筋肉痛に見舞われた。はだし走行の成果か、膝や足首の関節に異常はないが、普段の運動不足が筋肉にはすぐ出てしまった。痛みがあるので足の動きが硬く、飛び降り練習はかなり苦戦。4日目ごろに、ようやく着地時の音が小さくなってきた。

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