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「ネット断ち」で生活変わるか 記者が2日間挑戦 依存強いと生活・仕事に支障も

2013/9/13 日本経済新聞 プラスワン

 宿泊した旅館でインターネットに接続しようとしたら、モバイルルーター(パソコンをネットに接続する機器)が圏外だった。ネットにつながらないと急に心細くなった。もしかしたら「ネット依存」が過ぎているのかもしれない。温泉につかりながら、そんな不安が頭をもたげた。

 「ネットが見られないと不安になるのは、ネット依存の可能性が大きい」と説明してくれたのは、ネット依存症の治療をする成城墨岡クリニック(東京都世田谷区)の墨岡孝院長。クリニックで依存症の判定に使うチェックリスト(表参照)を見ると、思い当たる節も多い。

 ネット依存が強くなると生活が不規則になり、仕事にも支障を来す。スマートフォン(スマホ)が手放せず「勤務時間中もトイレでネットを見てしまい仕事にならない」と病院を訪れる人も増えているという。

■オフライン生活で依存度チェック

 「依存度を確認するためには、ネットにつながらない“オフライン”の環境に自分を置いてみることが大切」(墨岡院長)。実際、最近はネットから自分を遠ざける「デジタルデトックス」という試みも話題になっている。いわば「ネット断食」だ。

 我が身を振り返ると、自宅のネットを常時接続にしたのが2001年。スマホはiPhoneが世に出る前から使っている。自宅でも外出先でもネットにつながるのが当たり前で、オフラインの環境に身を置く機会はほとんどない。平日は仕事があって難しいので、週末限定でネット断食を体験してみることにした。

 具体的にはどうすればいいのだろう。「スマホを使わない」なら、電話をしてもいけないのか。

 ネット依存症の入院治療をする久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の臨床心理士、三原聡子さんによると「入院患者はネットへの接続ができなくなるが、音声の通話やダウンロードをした音楽を聴くのは制限されない」という。そこでパソコンは使うがネットには接続しない、スマホは着信がない限り見ない、とルールを決めた。

 土曜日の朝6時。朝起きたら無意識にパソコンの前に座り、ネットを見そうになった。実はかつてネットのニュースサイトの責任者として朝6時に記事を更新していた。朝一番でそれを確認する習性がいまだに染みついている。あわててブラウザーを閉じた。

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