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便秘、治すなら病院で 専門外来の患者急増 治療法の選択肢広がる

2013/8/30 日本経済新聞 夕刊

 1000万人が悩むといわれる便秘。最近では医療機関での治療に関心が高まってきた。専門の「便秘外来」では患者が急増。初診予約が6年待ちの病院もあり、自分の症状に合った治療を求める患者の“駆け込み寺”的な存在だ。高齢化に伴う患者の増加や治療法の選択肢が広がってきたことが背景にある。薬の処方など治療法は患者により異なるケースが多く、放置すれば重症化の危険もある。「たかが、便秘」。そう甘く見ている方いませんか?

小林教授(左)は「便秘外来は駆け込み寺に映るようだ」と話す(順天堂医院)

 今月17日、順天堂大順天堂医院(東京・文京)の診察室。週1回、土曜日のみ開かれる「便秘外来」では、全国から訪れた約70人の患者であふれかえっていた。

■病院渡り歩いた

 「初診まで2年待った」。来院者の1人、神奈川県葉山町の女性患者(80)は振り返った。若い頃から便秘がちで、10年程前、1カ月ほど便通がなくなり、激しい腹痛に悩まされた。これまで試した処方薬はほとんど効果がなく、病院を渡り歩いた結果、口コミで知ったのが順天堂医院の「便秘外来」。2011年に予約し、13年2月にようやく、受診できた。

 診断結果は、大腸の機能が異常をきたす慢性便秘症。現在は2カ月に1度のペースで来院、薬を処方される。女性は「以前に比べ、徐々に便が出るようになった。ようやく自分の症状にあった薬に出合えた」と安堵の表情をのぞかせた。

 便秘の一般的なタイプは大腸の動きが鈍って起きる「弛緩(しかん)性便秘」。生活習慣が原因ということもあれば、ストレスや精神疾患に密接に関係していることもある。このため、患者一人ひとりの便秘の原因を読み解く必要がある。総合診療科の小林弘幸教授(53)は「便秘を専門に扱う医師が少なく、診断や薬の処方などを含めて患者に適した治療法の選択が難しい」と指摘する。

 順天堂医院は「便秘外来」の先駆けで、1995年に開設した。患者は糖尿病などの生活習慣病を抱える高齢者が中心で、最近は20~30代の若い女性も多い。今、予約すると、初診は「19年の春」と告げられるという。小林教授は「便秘は周囲に病気だと認識されにくく、我慢を続ける人が多い。『便秘外来』という看板を掲げれば、駆け込み寺に映るようだ」と話す。

 国立病院機構大阪医療センター(大阪市)は05年、「便秘外来」を新設した。週1回の十数人の予約枠はすぐ埋まるという。「糖尿病やがんなどとの合併症を持つ排便障害に悩む患者が受診できる外来が少なかった」(同センター)というのが開設の理由だ。医療関係者によると、「便秘外来」を設置する医療機関は全国で数十施設以上あり、5年間で急速に増えている。背景には、高齢社会に突入し、便秘に悩む人が増加したことに加え、医師が処方する便秘治療薬としては、30年ぶりに発売された新薬「アミティーザ」の登場など治療法の選択肢が広がったことが挙げられる。

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