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エコノ探偵団

援助額、年20兆円 祖父母の財布いつまで頼れる?

 

2013/7/16 日本経済新聞 プラスワン

 「夏休みにおじいちゃんの家に行くよ。お小遣いもらえるかな」。近所の小学生、国本玄輝の話に探偵の深津明日香が興味を持った。「祖父母も孫の誕生日やら入学式やら当てにされて大変。いつまで頼れるのかしら。調べてみましょう」

 「そう言えば孫に教育費を渡しやすくなったと聞いたわ。銀行で事情を調べましょう」。明日香がりそな銀行を訪ねると、信託ビジネス部の大沼隆彦さん(50)が出迎えた。「4月に税制の特例ができました。まとまったお金を渡す高齢者が増えています」

■教育費を贈与

 税制の特例とは、祖父母や父母が子・孫の教育資金をまとめて金融機関に預けると、子・孫1人当たり1500万円まで贈与税がかからなくなる制度のこと。特例が使えるのは2015年末までだ。

 「予想より利用が多くて驚きました」と大沼さん。りそな銀の取扱件数は開始3カ月で、年間目標を上回る好調ぶり。ほかの銀行も合わせると銀行全体の利用実績はすでに1万5000件を超えた。

 「なぜそんな制度が始まったのかしら」。明日香が首をひねると、第一生命経済研究所の首席エコノミスト、熊野英生さん(46)が答えた。「高齢者のお金を若い人に回し、できるだけ使ってもらおうというのです」

 日本の個人が持つ金融資産(現預金・株式など)およそ1500兆円のうち、約3分の2を60代以上が占める。子育てや住宅購入など多くのお金がかかる働く世代に、高齢者のお金を回してもらう狙いがある。たとえば教育費を肩代わりしてもらえれば、働く世代はほかの消費を増やせるというわけだ。

 熊野さんの試算では、制度利用は3年間で1.5兆~2.1兆円に達する見通し。相続税を心配する富裕層が制度を使うだろうという。

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