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食事はなぜ1日3回? 食のリズムと健康の深い関係 老化防止にも貢献

2013/5/21 日本経済新聞 朝刊

 食事はなぜ1日3回が基本なのか。現代人は忙しく、3食をきちんと取らない場合も多い。しかし、3食の習慣が崩れると脳へのエネルギーが不足がちになるほか、1回の食事量が増えて肥満や生活習慣病などにつながる可能性もあると専門家は指摘する。健康維持には、やはり1日3食がよいといえそうだ。

■明治期以降に定着

 日本で朝昼晩と3食取る習慣が広まり始めたのは、江戸時代後半といわれている。それまでは力仕事をする人などを除き、2食が一般的だった。それが菜種油などを使った明かりの普及や娯楽の広がりなどで1日の活動時間が延び、次第に3食取るようになった。明治期以降は、人々が時計に合わせて生活するようになり、3食が定着した。

 しかし現代は生活習慣が多様になり、3食を規則正しく取るのが難しくなっている。忙しさや面倒くさいという理由から、1日を2食、極端な場合は1食で済ませるケースも増えている。これに対し、元国立健康・栄養研究所長の小林修平・人間総合科学大学特任教授は「1日3食の習慣を崩すのは栄養バランスの観点から好ましくない」と話す。

 1日2食以下にすると「エネルギーを充足したいという脳の作用から、1回の食事量が過剰になる。力士などは身体を太らせるためにあえて食事の回数を減らすことがあるが、一般の人は3食が理想だ」と強調する。例えば朝食を抜いた場合、昼は高カロリーのメニューを頼んだり、ごはんを大盛りにしがちになる。これが習慣になれば「肥満や生活習慣病の原因にもなる」と小林特任教授は訴える。

 同志社女子大学の小切間美保教授は1日3食の重要性を、脳へのエネルギー供給の点から訴える。人は脳活動の栄養源であるグリコーゲンを1日当たり約120グラム必要としている。だが、肝臓で作られるグリコーゲンは1回の食事で最大60グラムが限度で、5~6時間しかもたない。食べ過ぎないで1日2食を実践したとしても、グリコーゲン不足になる可能性がある。

 小切間教授は「脳は眠っていても活動している。脳を十分に活動させるためには3回の食事が有効だ」と話す。順天堂大学の白澤卓二教授も「脳に行き渡る栄養源が不足すると脳の萎縮を招く。3食をきちんと取ることで萎縮を防げる」と語る。3食の習慣が老化やボケ防止に役立つ可能性があると強調している。

 人には約1日のリズムを刻む「体内時計」が備わっており、体温や血圧、血糖値などを調節している。女子栄養大学の蒲池桂子教授によると、規則的に3食取ることが調節機能維持に役立つという。

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