本・カード・雑貨にも デジカメプリント活用法
店頭やネットで気軽に
デジカメは気軽にシャッターが押せるため、撮影枚数が膨大になる。データのままモニターで見るほうが手間がかからない。ただデータを誤って消してしまったり、SDカードなどのメディアごと紛失してしまったりするリスクもある。外付けハードディスクなどにバックアップを取ればいいが、そこまで手が回らない人は、やはりこまめにプリントするほうが安心だ。
写真雑貨の制作などを手がける写真企画室ホトリ(東京都台東区)のsaorinさんは「モニターで見る写真とプリントして見る写真は味わいが違う。プリントすれば思い出を形にして残すという、写真本来の楽しみを実感できる」と話す。
とはいえ、いざプリントしようと見返して、枚数の多さにうんざりしてしまう人もいるだろう。「フィルム時代の習慣で、撮った写真はすべてプリントし、アルバムに入れようとするからおっくうになる。プリントするのは気に入った写真だけ、と発想を転換すると気が楽になる」(saorinさん)
プリントというと「L判」のイメージがあるが、それも思い込み。真四角プリントや昔懐かしい白縁プリントなど、店頭でのプリントメニューは増えている。1枚の用紙に複数画像をコマ割りして入れた「シャッフルプリント」、画像データを編集して作品集やアルバムに仕立てる「フォトブック」、さらにカレンダー、ポストカード、キーホルダーなど雑貨を作るサービスもある。
なかでも近年、利用者が多いのがフォトブックだ。2000年ごろから始まったサービスで、多くの会社が独自の商品を提供している。
そのひとつ、富士フイルムイメージングシステムズ(東京都品川区)の星野貴浩さんは「プリントと同時にアルバムも作れる手軽さや、軽くて省スペースなところがうけている」と話す。
子ども、旅行、結婚式などのテーマやイベントごとに、20~100枚程度の写真を1冊にまとめてフォトブックを作る人が多い。同じものを何冊でも作れるため、家族や仲間と分け合ったり、プレゼントとして贈ったりするのにも適している。
大日本印刷グループであるDNPドリームページ(東京都品川区)の犬束康治さんは「最近は自作のレシピ集を作ったり、1年間のブログを1冊にまとめたりする使い方も多い」と明かす。こうした作品集を持ち歩き、友人に見せるなど、フォトブックを介したコミュニケーションを楽しむ人も増えている。
フォトブックの作り方は、店頭に写真データを持ち込む方法と、インターネット経由の2つある。店頭機はデザインの自由度は低いかわりに操作が簡単なので、パソコンが苦手な人でもできる。じっくり時間をかけてデザインにこだわりたい人は、ネット経由がおすすめだ。
フォトブックを作る会社のサイトにはギャラリーもあり、サンプルや他の人の作品を閲覧できる。「初めのうちは上手な人の作品を参考に作るのも一案」と、アスカネット(広島市)が運営する「マイブック」の村上大吉朗さんは助言する。
フォトブックのサイズや価格は多種多様。一般に人気の商品タイプと価格は、16~40ページ程度で、2000~3000円程度だ。
会社や商品タイプにより本のサイズや掲載できる写真の枚数、ページデザイン、文字入れの有無、印刷・製本方法などが異なるため、自分に合ったものを選ぼう。
(ライター 奈良 貴子)
[日経プラスワン2013年1月19日付]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。