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エコノ探偵団

大手の半額 格安レンタカーなぜ急増?

2012/12/18 日本経済新聞 プラスワン

 「格安料金を打ち出すレンタカー店をよく見掛けるね。1日借りて3千円を切るという看板もあったかな」。友人の言葉に探偵、松田章司が首をかしげた。「確かに安い。でも車離れが指摘される今、なぜ急に増えるんだろう。調べてみるか」

■「効率よく借りたい」多く

 まず向かったのは「100円レンタカー」を全国で約210店舗運営するカーベル(東京都中央区)。小型車なら10分間100円単位で借りられ、12時間3000円などの長時間プランもある。「普段使っている大手レンタカー会社の半額程度か」。章司は驚いた。

 「中古車を使っているのが格安料金のポイントです」と、レンタカー事業部長の和作克宣さん(50)が教えてくれた。同社は中古車販売店の運営支援などが本業だが、長引く不況や車離れなどで中古車販売が落ち込んだ。積み上がった車両在庫を生かす新規事業だ。店舗は自動車整備ができる施設に併設し、車両の点検・修理も怠らない。

 「どういう人が使っているのだろう」。章司は店舗を訪れた人に聞いてみた。「営業車として使っています。乗り心地は中古でも全く問題ありません」と会社員の林田亘さん(32)。経費節減のため社用車を必要最低限しか持たない企業も増えてきた。使う側にとっても業務の繁閑に応じて借りる方が効率的だ。

 店舗数はこの1年で5割増えた。もちろん週末の観光目的や、通院や買い物で使う人も目立つという。高級車や最新エコカーなどをメニューにそろえる大手レンタカー会社に対し、低料金や使い勝手を優先したい消費者ニーズに絞る戦略が奏功しているようだ。

 レンタカー市場全体もじわじわ拡大している。矢野経済研究所(東京都中野区)の調査によると、2013年の国内レンタカー市場規模は5100億円と、4年前より約9%伸びる見通し。「格安もあって新しいレンタカーの使い方が広がっていますよ」とカーベルの和作さん。「車を買わずに借りる生活スタイルが浸透してきたのか」と章司。

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