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暮らしの知恵

現金使わずに生活できるか 1カ月挑戦してみたら…

2012/11/23 日本経済新聞 プラスワン

 カードや携帯電話を端末にかざすだけで簡単に買い物ができる電子マネーは、使える場所が増えてきた。クレジットカードなどと組み合わせれば、現金なしでも暮らせそうな気がする。実際、現金を使わない生活は可能なのか。さらに支出はどう変わるのか。ほとんど現金払いの記者(34)が、1カ月間の「キャッシュレス」生活に挑んだ。

■スイカに限度額2万円を入金してスタート

 まずは現金以外の手持ちの決済手段を確認。財布にはクレジットカード3枚と、東日本旅客鉄道(JR東日本)の「Suica(スイカ)」があった。スイカは電車やバスに乗るためのICカード乗車券で、電子マネーとしても使える。

 銀行のインターネットバンキングも利用している。家賃や税金、保険料、水道光熱費、通信関連費などは給与天引きか口座振替、クレジットカード払いだ。

 10月上旬、スイカに限度額の2万円をチャージ(入金)し実験スタート。財布のお金をすべて取り出す。空っぽの財布は何とも頼りない。最初はどこに行っても電子マネーやクレジットカードが使えるかばかり気になって、落ち着かない。

 まず困ったのは自宅近くの商店街の行きつけの店での買い物や食事だ。週に2~3回通うパン店は現金決済だけ。店主と顔を合わせないよう前を通り過ぎるのが心苦しい。

■人付き合いや週末にひと苦労

 帰宅して目に留まった回覧板の「年末までに自治会費集めます」にもギクリ。口座振込可の自治会もあるというが、現金徴収だったはずだ。期間中の集金はなかったが、やはり地域とのつながりや人付き合いが絡むと現金なしはつらい。

 仕事先や同僚との飲み会でも苦労する。割り勘で現金が出せないためだ。実験2週目に約束した仕事先との席では「ここは私が」合戦を制した記者が支払って事なきを得たが、不自然な必死さに相手はけげんな表情。学生時代の友人との会では幹事・集金係を引き受け、まとめてクレジット決済する姿に「ポイントかマイルを集めているの? キャラクター変わったね」と言われてなんだか悲しい。

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