無礼講で必要な配慮
忘年会やおつかれさま会が多くなる季節になりました。顧客や職場の人たちと、仕事を離れて楽しいひとときを過ごせるといいですね。メールでのやり取りが多くなればなるほど、直接ふれあうこうした機会はとても大切。仕事は結局は人と人とのつながりで成り立っていると思うからです。
「さあ、今日は無礼講で」と言われると、日ごろの緊張が解け、肩の力も抜けますが、それでもぜひ気を付けてほしいのが言葉遣いです。「です」「ます」は崩さないと、しっかり心構えをしておいてください。
お酒が入り、つい気が大きくなり「マジ? やってらんねえな」と上司にからんだその人は、酔いがさめてからもずっと落ち込んでいました。気分の良い会にするためにも、自分の適切な酒量を知っておくとともに「本当ですか」「です・ます調」の言葉を使うことで、羽目を外さず適度な距離を保ちましょう。
話題選びも重要です。「例の件ですが」などと、仕事の話は持ち出さないほうがいいでしょう。反省会ではないのですから、楽しめる心遣いをお願いします。
その点、最適なのがスポーツや趣味の話です。みんなが参加できる話題を提供できるようになったら大したもの。最近、私はプロ野球のドラフトの話題で盛り上がりました。賛成、反対と意見を戦わせても、誰も傷つきません。気が付けば全員が話していました。
一人前の大人としては、話の輪に加わらない人をつくらない配慮も必要です。
(コミュニケーション塾主宰 今井 登茂子)
[日経プラスワン2012年11月17日付]