MONO TRENDY

  • クリップ

デジタルライフ

大学受験 ネットで自宅にいながら「予備校通い」 有名講師の講義を配信、地方もきめ細かく

 

2012/11/15 日本経済新聞 夕刊

 大学入試センター試験まで約2カ月と、試験勉強が大詰めを迎えた受験生は多いだろう。残り限られた時間で弱点教科の克服や志望校対策に励みたい人の注目を集めているのが、自宅で有名予備校講師の講義が受けられる動画配信授業だ。視聴後にオンラインで確認テストを受けたり、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)で授業の続きを見られたりするなど、ネットを生かした便利なサービスも相次いでいる。

■間違った問題だけ視聴

 大学入試センター試験まで約2カ月と、試験勉強が大詰めを迎えた受験生は多いだろう。残り限られた時間で弱点教科の克服や志望校対策に励みたい人の注目を集めているのが、自宅で有名予備校講師の講義が受けられる動画配信授業だ。視聴後にオンラインで確認テストを受けたり、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)で授業の続きを見られたりするなど、ネットを生かした便利なサービスも相次いでいる。

■間違った問題だけ視聴もOK

  • 自宅でネット動画を利用して受験勉強する高校生
 「ビデオ速習で志望校の7年分の過去問解説授業を終えました」。東京都西部に住む高校3年生の三田桂太さん(仮称、17)は学校から帰宅後、午後6時から自宅のパソコン動画に見入っている。大手予備校の東進ハイスクールの動画配信サービス「在宅受講コース」で、現在は早大理工系学部の過去問演習講座を受けている。

 過去問を解いてファクスすると1週間程度で添削・返信される。動画で有名講師による問題解説も受けられる。「大問別にチャプター分けしているので、間違った問題だけ視聴するなど効率的に学べる」という。

 三田さんは高校で吹奏楽の部活に入り、帰宅は午後8時前後。塾に通うのは時間的に難しいため、高校1年から在宅受講コースを始めた。「この夏までに高校3年分の授業は終え、志望校対策に専念している」(三田さん)。部活を辞めた現在も続けている。

■校舎で受けられる授業がそのまま在宅で

 東進のコースは予備校校舎で受けられる授業がそのまま在宅で受講できる。東進を運営するナガセ(東京都武蔵野市)によると「自宅から校舎が遠かったり、部活で通えなかったりする生徒のため設けた」という。

 通常の授業では動画視聴後、オンラインで確認テストを実施。合格しないと次の講座を受講できないようにしている。受講講座の進み具合や模試の結果はネットで確認でき、保護者にもパスワードを配布して閲覧できるようにした。

■難関大学対策が充実

 「近くに予備校がない地方都市でも受験講座を受けたいとの声が多い」。通信添削のZ会(静岡県長泉町)は動画サービスを手掛ける背景をそう語る。

 東京大学など難関大対策の通信添削で実績があるが、授業を継続的に受けて勉強のペースをつくりたい受験生が地方に多いことが調査でわかったという。

 Z会の動画サービスは通信添削で出した問題から良問を抽出して著名講師が講義。メールで講義内容などを相談すれば、講師やZ会の添削専門社員がじかに返答する。動画サービスも東大、京大など難関大対策が充実している。

 新規参入もある。情報サービス会社のリクルートマーケティングパートナーズ(東京・千代田)は10月中旬、大学受験用の無料会員制情報サイト「受験サプリ」内に動画授業コーナーを開設した。

 特徴は料金の安さだ。教科は現在、英語と数学だけだが、60分の10回講座で受講料は5000円。センター試験対策は無料とした。テキストはサイトにあるPDFファイルを印刷して使う。予備校校舎を持たないなどで固定費がかからず、低価格でのサービス提供を実現できた。

 松尾慎治・受験サプリ編集長は「受験勉強に所得格差の影響が大きくなっている」と指摘する。同社によると、少子化とはいえ今後10年は受験者数が55万人前後で推移すると予測。だが家庭の経済環境の都合で、大学進学をあきらめるケースも増えているという。家計の負担を抑えて受験講座を受けられるとあって、サービス開始1カ月で約1万人が視聴した。

■スマホで続き視聴

 パソコンで視聴した動画の続きをスマホで見られる連携機能も備えた。サイトのログ(履歴)情報から受験生の動向を分析したところ、授業冒頭に講師が熱いメッセージを長々語ると視聴者数が落ちる傾向がわかり、「すぐ授業に入るよう映像を作り直した」(松尾編集長)。

 手軽にいつでも授業が受けられる利点を生かし、自宅の動画視聴で弱点教科の克服や志望校対策に追い込みをかける受験生がますます増えそうだ。

(産業部 榊原健)

  • クリップ

関連情報

MONO TRENDY新着記事