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宮崎・大淀川 地鶏 炭火焼きでジューシーに

2012/11/13 日本経済新聞 プラスワン

 「鬼の洗濯岩」と呼ばれる波状の岩で囲まれた「青島」。神話時代の神々を祭る「神の島」でもある。「神話の国」宮崎に着き、まず立ち寄った。自生する亜熱帯植物のビロウ樹が生い茂り、南国ムード満点だ。

 宮崎というと、冬でも温暖な気候から、スポーツのキャンプ地として名高いが、昭和30~40年代には新婚旅行ブームでわいた。ブームに拍車をかけたのが、テレビ放映された川端康成の「たまゆら」。その冒頭の一節に出てくるのが「大淀川の夕映え」だ。大淀川のほとりにわく「宮崎リゾート温泉たまゆらの湯」(宮崎市)につかり、宮崎を楽しむことにした。

大淀川の土手から眺める夕日

 青島から市街地に戻り、「宮崎観光ホテル」に荷を置き夕日を待った。幸いにして晴天。宿の前の土手に立ち、徐々に紅に染まっていく空を眺める。やがて、オレンジ色の太陽は川に輝きを映しながら沈んでいった。この美しい夕映えを眺めるだけでも宮崎に来たかいがあった。

 日が沈んだ後は、夕食。ホテルでも郷土料理などをいただけるが、今日は繁華街の「ニシタチ(西橘通りの略)」へ向かう。お目当ては、「みやざき地頭鶏(じとっこ)」だ。天然記念物にも指定される「地頭鶏」は、島津藩の地頭職に献上されていたことからその名が付いた鶏で、改良を経て生まれたのが「みやざき地頭鶏」。宮崎県内だけで飼育される。

いろいろな料理で味わう

 「ぐんけい本店隠蔵(かくしぐら)」ののれんをくぐる。みやざき地頭鶏は多くの店で提供されているが、店ごとに微妙に味付けは違うという。カウンター内で豪快に「もも肉」を焼く店長の佐藤裕さんに聞くと、肉のうまみを閉じ込めるために7~8割の焼き加減で焼くという。「この加減がわからないと『焼き』はやらせてもらえません」と佐藤さん。鶏の脂を炭火に入れ、火を燃え上がらせ、強火でころがしながら、さっと焼く。ススが鶏の表面につき、真っ黒になるのが特徴。じっくり焼くと肉が固くなってしまうそうだ。

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