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暮らしの知恵

キャベツの千切り おいしくシャキッとさせるコツ

2012/8/10 日本経済新聞 プラスワン

 とんかつやコロッケ、ショウガ焼きなどに欠かせないキャベツの千切り。店で食べるものは細くてシャキシャキした歯ごたえなのに、家庭ではなかなかうまくできない。料理が苦手な記者(33)がおいしい千切りを作る方法を試してみた。

 キャベツの千切りは切るのを急ぐと幅が太くなり、細く切ろうとすると時間がかかってイライラする。我が家は揚げ物がおかずの時は、夫が大量に食べるのでキャベツ半分を刻まなければならない。専用ピーラーも使いこなせず、包丁で切るのに四苦八苦だ。

 まずは包丁の正しい使い方を聞くために調理道具研究家の岡山晄生さんに会いにいった。「同じ野菜でも切り方で味わいが全く変わります」。スパッと切るほど野菜のうまみは外に逃げず、口当たりも軟らかくなるという。記者が「指を切るのが怖くて包丁はしばらく研いでいない」と話すと「出発点で間違っている」と諭された。

 自宅の包丁は研いでもあまり効果がなかったので、新しい三徳包丁を買った。3玉ほど練習。いつもより少し食べやすくなったように感じた。シャキシャキ感を出すためのコツを探ろうと、東京・上野のとんかつ店、井泉を訪ねた。

 人気とんかつ店の多くは機械で切っているという。井泉も幅1ミリ以下に機械で均一に切ったものを出す。シャキシャキ感を出すカギを握るのは水にさらす温度と時間という。

 自作の千切りが冷水効果でどうなるか試すために、プラスチックの食品保存容器に入れて持って行った。野菜担当の浅野明博さんに見せると「これはひどい出来ですね」と苦笑い。幅は4ミリ以上、長さが不ぞろい。「これは冷水にさらしてもおいしくなりません」と言われた。

 軽くショックを受け、江上料理学院(東京都新宿区)副学院長の江上佳奈美さんに基礎的な切り方を習うことにした。

■葉脈に直角に サイズも調整

 口当たりがごわごわしないためにはまずは切る方向をそろえる。家庭では飲食店のような細さに切るのは難しいので、キャベツの繊維を断ち切って歯ごたえを軟らかくする。そのためには包丁を芯や葉脈に対して直角方向に入れる。

 千切りは学校により教え方が異なるそうだが、江上さんは葉2~3枚を方向をそろえて重ね、丸めて材料を持つ手(右利きであれば左手)におさまるサイズに調整する。材料を手で固定できずにうまく切れない人は多いようだ。

 指を切らないように指を丸めて「猫の手」を作り、ゆっくり包丁を押す。肩に変な力も入らず、すっと切れた。

 自宅でキャベツ半分(500グラム前後)で練習する。普段は後半になるとイライラが募り、切り方が雑になって25分ぐらいで切り上げている。江上さんに教えてもらった要領で幅2~3ミリを意識して切ると、余計に10分かかった。時間がかかりすぎだ。

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